カビは健康に害を及ぼすので、浴室にカビがある場合はすぐに取り除く必要があります(Ushico / PIXTA)

浴室の黒カビは危険がいっぱい どうやって防ぐ?

浴室は常に湿気が多く、通気性が悪いために、健康に悪影響を及ぼすカビが発生しやすいものです。

では、浴室にカビが発生したら、どうやって除去したらよいでしょうか? そもそも、カビの発生を予防するにはどうすればいいでしょうか? 

米国の家住宅装飾メディア「This Old House」によると、カビは胞子を作ってまき散らしますが、それを人が吸い込むと発疹や頭痛、呼吸器疾患など様々な問題が起きる可能性があると報じています。とくにハイリスクな人は、乳児や高齢者、免疫機能が低下している人、カビに過敏な人やアレルギーのある人、カビに対して重度の反応を示す喘息患者などです。

カビには、その種類も色もいろいろありますが、なかでも恐ろしいのは有毒な黒カビのスタキボトリス(Stachybotrys chartarum)です。ただし、どんな種類のカビであっても、家の中でカビを見つけたら、あなたの健康のためにすぐに除去することが必要です。

浴室でカビが最もよく発生する場所は、タイルの継ぎ目のモルタル、排水管の近く、壁や壁紙です。

浴室内の多くの場所にカビが生えますが、あなたが見つけたカビは、簡単に掃除できますよ。

タイルの溝からカビが生えます(天空のジュピター / PIXTA)

浴室のカビを除去する方法

硬い面のカビを取り除くには、次の手順に従いましょう。

(1)漂白剤と水を1:2の割合で混合し、スプレーボトルに入れてカビのある個所に散布します。

(2)10分ほど待つとカビは徐々に消え始めます。カビがまだ残っている場合、広い場所はブラシで、狭い場所には古い歯ブラシを使って、こすり落としてください。

(3)その後、水で表面をきれいに洗います。

漂白剤を使いたくない場合は、白酢重曹も黒カビを除去するのに使える天然の代替品です。白酢の配合割合は、漂白剤と同じく1:2です。重曹は、以下の手順で使用してみてください。

(1)重曹と少量の水を混ぜてペースト状にします。

(2)このペーストをカビのあるところに塗り、10分ほど放置してからブラシで落とします。

石鹸などの洗剤と水を混ぜても、通常は同じ効果が得られます。また、石膏ボードやタイルの裏にまでカビが生えている場合は、専門業者に掃除してもらうことになるかもしれません。

では、どうすれば浴室のカビを予防できるでしょうか。

全てのカビの成長に共通しているのは、常に湿気がある環境です。ですから、浴室にカビが生えないようにする方法の第一は、浴室の湿気を抑えることです。

浴室の蛇口やバルブに水漏れがないこと、排水管が詰まっていないことを確認してください。浴室内でポトポトと水滴が落ちていたり、常に水たまりがあれば、カビの生育に最も適した環境になってしまいます。そのような排水管の詰まりや壁の漏水があれば、まずは不良個所を修理します。

以下に、浴室に発生しやすいカビを予防する方法を示します。

(1)浴室の換気を良くする

シャワーを浴びるたびにタイル張りの床やバスタブは濡れますので、残った水滴が蒸発しやすいよう、ゴムの水切り道具(squeegee)で水を払っておくようにしましょう。

また、浴室内の空気が十分に入れ替わるようにします。換気扇がない場合は、除湿効果を上げるため取り付けを検討してください。

 

水切り道具で水を払いましょう(asu0307 / PIXTA)

(2)ひび割れたタイルを補修する

タイルやセメント面にひび割れがあると、石膏ボードやタイルの下にあるコンクリート床に水分を浸透させ、湿気がたまりやすくなるので、すぐに補修します。

(3)タオル、マット、シャワーカーテンの乾燥を保つ

浴室内のタオルやマット、シャワーカーテンなどは、カビの温床になりやすいものです。そのため、使用後は適切に乾燥させ、定期的に洗います。

(4)良質の塗料を使う

浴室の壁に塗料をぬった後は、さらに半透明のラッカーを塗布することで、光沢があり、防水効果の高い壁面を作ることができます。その際、抗菌成分が配合されている良質の塗料を使うか、塗料をぬる前に防カビ剤を加えておくと、カビの発生を抑制することができます。

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