伝統的なクリスマス料理14の物語(下)

(続き)

7. フルーツケーキ(Fruitcake)

現在、クリスマスの時に食べられるフルーツケーキは、起源を探ると実際には、プルーンとオートミールから始まりました。後に、それらには蜂蜜と他の果物が混ぜられ、クリスマスプディングとなったのです。

およそ16世紀頃、より豊かで手に入りやすい材料が使われ、小麦粉や卵が使われるようになり、三賢者を象徴する香料も追加されました。最終的に現在のフルーツケーキへと進化したのですね。

クリスマスケーキは通常、イベントの前に作られ、イベントまで保存するために、時折ブランデーシェリーやウイスキー、コニャックがケーキに注がれます。
 

イギリスの家庭ではクリスマスにプディングに火を灯す習慣がある (Happy_Life / PIXTA)

8.プディング

イギリスの家庭におけるクリスマスディナーは、プディングへの点火儀式で終了します。プディングを点火する理由については、炎でプディングからブランデーを奪うためだとか、または、パーティの雰囲気作りに役立つためとする見方もありますね。さらに、キリストの受難を象徴するとする説もあるのです。

また、クリスマス・プディングの中にコインを隠し、それを食べた人が新年の幸運を告げるという風習もあります。 この習慣はローマ時代の冬至の儀式にまで遡ることができるそうですよ。

スパイス入りモルドワイン (Nana / PIXTA)

9. スパイスワイン(Mulled Wine)

2世紀にローマ人によって考案された暖をとるスパイスワインは、領土拡大に伴い、徐々に広まっていきました。中世には、病気を防ぐためにハーブや香辛料を加えることが一般的となり、スパイスワインはますます人気を博しました。それがクリスマスと結びつくようになったのは1890年代まで待たなければなりませんでした。

 

フランス発祥のチョコレートのユールログ(木の幹)ケーキ(fahrwasser / PIXTA)

10. ユールログ(Yule log)

欧州の一部では、冬至に木を燃やす習慣があり、新年の幸運を祈願します。クリスマスのチョコレートのユールログ(大きな丸太を何日も焼くという儀式)は19世紀にさかのぼり、燃える木を象徴するケーキとして新年の幸運を願っています。

 

金貨チョコレート (きらら / PIXTA)

11. 金貨チョコ

金貨チョコもクリスマスの象徴的な食べ物です。これは、賢者たちがイエスに贈った黄金を象徴していると言われています。

 

クリスマスの七面鶏のロースト (Composter / PIXTA)

12. 七面鳥のロースト

気温が下がると、七面鳥は冬のために脂肪を蓄えます。この時期の七面鳥の肉は最も美味しいものです。そのため、一部の地域ではクリスマスのメインディッシュとして七面鳥が使われます。古代ギリシャの冬至の儀式でも七面鳥の肉が食べられる習慣がありました。

 

クリスマスのミンスパイ (Natallia Harahliad / PIXTA)

13. ミンスパイ(Mince pies)

以前のミンスパイのフィリング(詰め物)には羊肉や牛肉が含まれており、それにドライフルーツ、香辛料、羊脂が混ぜられていました。当時、香辛料が希少品だったため、パイは特別な場合や裕福な人々の食事にしか提供されませんでした。19世紀末に砂糖が一般的になると、今日のような甘いパイが誕生しました。

 

七匹の魚の饗宴 (kouta / PIXTA)

14. 七匹の魚の饗宴(Feast of the Seven Fishes)

一部のイタリア系アメリカ人はクリスマス前夜に「七種魚の祝宴」と呼ばれる7種類の魚料理を食べます。これは、カトリック教徒がクリスマス前夜に肉や乳製品を摂取しない伝統から始まったとされており、数字の7はカトリックの7つの神聖な秘跡、創世記の7日間、そして7つの大罪を象徴しています。

 

李若琳