伝統的なクリスマス料理14の物語(上)

聖誕節は、キリスト教徒がイエス・キリストの誕生を祝う祭りであり、その期間、人々は七面鳥、ジンジャーブレッド、キャンディケイン(傘の柄状ステッキの形のキャンディのこと)、フルーツケーキ、エッグノッグ(牛乳ベースの甘い飲み物)などの祝祭用食品を楽しむことがあります。

文化が広まるにつれて、クリスマスは国際的な大きな祝祭日となり、多くの祝祭用食品が人々によく知られるようになりました。伝承によれば、これらの食べ物の背後には不思議な物語が伝わっています。
 

クリスマスクッキー (Nana / PIXTA)

1. クリスマスクッキー

世界の一部の地域では、クリスマスに手作りのクッキーを作ったり贈ったりする伝統があります。アメリカのこの伝統は、17世紀初頭にオランダからの移民によって持ち込まれました。祝祭の時、一部の家庭では子供たちと一緒に焼いたりするのですが、16世紀にはクッキーはヨーロッパ人にとって非常に人気のある食べ物でした。
 

ジンジャーブレッドハウス (MalkovKosta / PIXTA)

2. ジンジャーブレッドハウス

クリスマスの前に、多くのベーカリーはジンジャーブレッドハウスをショーケースに飾ります。人々は立ち止まって見入り、まるで童話の世界に迷い込んだようです。ジンジャーブレッドハウスの制作は、ドイツのグリム童話「ヘンゼルとグレーテル」からインスピレーションを受けています。

物語にはジンジャーブレッドでできた家が登場し、その家の窓や周囲にはさまざまなキャンディーやチョコレートが飾られています。ドイツ人はこの物語に影響を受けてジンジャーブレッドハウスを考案し、毎年クリスマスに親子で作ることで祝います。

 

ジンジャーブレッドマン (Romix / PIXTA)

3. ジンジャーブレッド(Gingerbread)

ジンジャーブレッドハウスを構築するためのジンジャーブレッドは、スパイスを効かせた固いクッキーです。世界で最初のジンジャーブレッドは、エリザベス1世のイギリス女王のアイデアから生まれたと言われています。彼女はある晩餐会でペイストリーシェフ(デザート類のシェフ)に、ゲストの顔をジンジャーブレッドで作らせたところ、それがジンジャーブレッドマンの誕生に繋がりました。

 

クリスマスのキャンディケイン (beth / PIXTA)

4. キャンディケイン(Candy Canes)

甘いペパーミント味のキャンディケインもよく知られたクリスマスの食べ物です。英字「J」の形状に成形されるのは、イエスの名前の最初の文字を表していると言われています。キャンディケインの色に関して、白はキリストの清浄さを象徴し、赤はキリストの血を表しているとする解釈もあります。

 

クリスマスの季節限定ドリンク、エッグノッグ (karandaev / PIXTA)

5. エッグノッグ(Eggnog)

エッグノッグは、牛乳、クリーム、砂糖、卵黄、泡立てた卵白で作られる伝統的な飲み物であり、「エッグミルクパンチ」とも呼ばれます。その起源について、13世紀のイギリスのミルクリキュール(ポセット)の変種であるという説があります。ドゥルセ・デ・レーチェはイチジク、ホットミルク、麦芽酒から作られます。新鮮な牛乳を冷蔵庫で保存する手段がなかった時代において、牛乳の入った酒は裕福な人々の飲み物でした。

何百年もの間、エッグノッグはシェリーやブランデーなどのハードリカーのバージョンを発展させてきました。18世紀にアメリカに伝わった後、当時豊富に生産されていたラム酒を使用し、それがクリスマスの定番ドリンクとなりました。

 

クリスマスのメインディッシュ、七面鳥 (SeaWave / PIXTA)

6. 七面鳥

七面鳥は16世紀初頭にイギリスにもたらされ、ヘンリー8世がクリスマスの宴会で初めて七面鳥を楽しんだと言われています。そして、七面鳥が英米のクリスマスディナーの象徴的な主菜として知られるようになったのは1950年代からです。

(つづく)

 

李若琳