英ロンドンのセントパンクラス駅 (Photo by Cate Gillon/Getty Images)

英ピアニストが駅公共ピアノで演奏中…「動画を消せ」中国人一行と騒動に

英国のピアニストが首都ロンドンの駅構内にある公共ピアノでオンラインのライブ配信をしていたところ、突然現れた中国人の一行に撮影の静止を求められた。ピアニストが拒むと騒動は口論となり警察が介入する事態となった。

ピアノは英ポップスの巨匠エルトン・ジョン氏が寄贈したもの。昨年12月には女性歌手アリシア・キーズさんも演奏した。しかし騒動を受け、いまは誰も演奏できないようバリケードと警備員がピアノを囲っている。

ピアニストのブレンダン・カバナー氏は英国のほか世界各地の公共ピアノで演奏を披露し、ユーチューブ(YouTube)で配信することを生業としている。19日にセント・パンクラス駅のピアノで即興演奏をしていたところ、身なりの華やかな中国人一行が現れた。首からは血の色のような深紅のスカーフを下げ、手には中華人民共和国の国旗である「五星紅旗」を手にしている。

一行はピアノ演奏を堪能していたようにみえたが、終えるとカバナー氏に話しかけた。「撮影をやめてほしい、写すことは肖像権侵害になる」として映像の削除を要求した。

双方は論争となった。カバナー氏は、英国は自由の国で公共の場では撮影や演技は自由だと主張し「ここは英国であり共産主義中国ではない」と述べ、カメラに写りたくなければ立ち去るべきだと述べた。別の中国人男性は「中国の法律では無断で撮影することは違法だ。このなかには非常に安全上優先すべき人物がいる」と強弁した。

駆けつけた英国警察は、公共空間での撮影は可能であると判断し、事情を尋ねたもののカバナー氏の演奏を制止させることはなかった。英国国内法によれば、公共空間で写り込んだ対象を商業目的に使用しなければ、他人の許可を得る必要はない。

一部始終を捉えたカバナー氏の動画は550万回再生を記録。警察はその後、物議を醸したこの事案がSNSで注目を集めていることに触れ、「巡回中の警察官が介入しており状況はエスカレートしていない」と声明を発表した。

動画には、中国人一行の若い男性が、五星紅旗を指すカバナー氏に対し「女性に触るな」「聞き返すな」「(中国について)学べ」「差別するな」などと粗暴な発言をする様子もとらえられている。

公開情報によれば、一行のメンバーは、駐英中国(共産党)大使館のイベントに頻繁に出入りしたり、孔子学院に所属する人物であったりと、党組織に深く関連する人物ではないかと指摘されている。

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