前衆議院議員の長尾敬氏は中国共産党スパイについて、従来の別件逮捕による摘発は「拘束力に一定の限界がある」と指摘した。(大紀元)

はびこる中国共産党スパイ、別件逮捕にも限界 法整備急がれる

警視庁公安部は21日、東京・秋葉原の中国秘密警察署と関わりを持つとされる中国人女性2人を詐欺容疑で書類送検した。欧米諸国を中心に中共スパイの摘発が進むなか、日本でなかなか反スパイ法が制定されない現状について、前衆議院議員の長尾敬氏は、従来の別件逮捕による摘発は「拘束力に一定の限界がある」と指摘した。

長尾氏は大紀元の取材に対し、日本には反スパイ法がないため、「持続化給付金を騙し取った詐欺容疑で別件逮捕した」との見方を示した。そして、2人の検挙については「中国共産党が日本国内で行っている工作活動に対して、日本の法整備が追いついていない典型事例だと思う」と強調した。

「外国代理人登録法」でスパイ摘発を行う米国とは違い、日本にはスパイ摘発に法的根拠を与える法律がない。昨年11月に検挙された、池袋パスポートセンターの中国人女性はパスポート申請者の氏名、住所、電話番号など1920人分の個人情報を持ち出したにもかかわらず、書類送検の容疑は「個人情報が記載された付せん紙」の窃盗だった。

米ニューヨークに設置された中国の秘密警察署をめぐっては、米司法省が2023年4月17日、中国共産党の代理として活動し国境を越えた弾圧に加担した容疑で、盧建旺容疑者と陳金平容疑者を起訴した。2人は中国共産党の「中央統一戦線工作部」とも関連していたとされる。

長尾敬氏は、スパイ容疑での検挙と別件逮捕では大きな差があると語る。

「詐欺容疑での検挙では拘束力に一定の限界がある。スパイ防止法が整備されていれば、長期間にわたり、その工作活動の詳細を取り調べるための拘束が可能となる。あるいは、日本人が中国国内で拘束された場合に、こちら側の人質として身柄交換することもできる」

長尾氏は「日本のインテリジェンスは国際的に高く評価されている。公安当局は間違いなく中国秘密警察署の実態把握をしているはずだ」と評価する。そして、「中国共産党のみならず、日本の過激派もこの法整備を好ましく思っていないため、あらゆる手段を講じて成立阻止に動いている」ものの、日本の安全保障のためにも、法整備に向けた結果を出していく必要があると訴えた。

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