流行病を予防できる「自然からの贈り物」について

イベルメクチンに関して規制当局は譲歩したが、より深い問題が存在している(下)

イベルメクチンの新型コロナに対する治療効果は、人間を対象とした研究でも確認されています。

ブラジルで実施された大規模な観察研究(住民159,561人が対象)では、イベルメクチンを0.2 mg/kgの用量で15日おきに2日連続で投与したことで、オミクロン流行期における感染、死亡、入院のリスクが大幅に減少したことが示されました。この研究によると、イベルメクチン治療群は、感染率で44%、死亡率で68%、入院率で56%の減少が見られ、非治療群と比較して顕著な差がありました。

同じ研究設定での別の分析(88,012人が対象)では、150日間定期的にイベルメクチンを使用することで、新型コロナに対するさらに大きな効果があり、非使用者と比較して感染率で49%、死亡率で92%、入院率で100%の減少が確認されました。

治療群・非治療群間の交絡バイアスを排除する厳格な管理下に置かれたこれらの観察研究は、ランダム化比較試験(RCT)よりも優位性があります。

さらに、101件の研究を対象としたリアルタイムメタ分析では、イベルメクチン治療による顕著な改善が示され、早期治療で62%の改善が見られました。

治療可能性があり、比較的安全な薬であれば、人間に適切な用量内での適応外使用が許可されるべきです。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は通常、RCTの結果のみに基づいて薬を承認しますが、この試験方法には限界があります。通常RCTが募集する参加者は数百人で、上記の研究のように数千人に達することは稀です。また、研究設計者が薬の特性を十分に理解していない場合、RCTの設計には欠陥が生じやすく、誤った解釈がなされる可能性があります。

最近インフェクション(Infection)誌に掲載されたイベルメクチンのプレプルーフ研究には、少なくとも2つの重大な設計上の問題がありました。第一に、参加者は症状発現から2週間後と比較的遅い段階にありました。第二に、イベルメクチンは1日1回、3日間のみ使用されましたが、これはFLCCC(新型コロナの治療プロトコルについて提言を行う米国の医師グループ)の推奨量よりもかなり少ないです。FLCCCのガイドラインは、新型コロナ治療にイベルメクチンを適応外使用した多くの救命救急医の経験に基づいています。

イベルメクチンの限界と注意事項

全ての薬には利点だけでなく副作用の可能性もあるため、使用に際して常に責任が伴います。

イベルメクチンは免疫抑制剤タクロリムスを服用している患者には禁忌です。併用すればどちらかの、あるいは両方の薬効を増強させる可能性があります。

一般的に、イベルメクチンは他の多くの抗ウイルス薬と比較して、前臨床段階での非常に良好な安全性プロファイルを持っています。発がん性や遺伝毒性はなく、生殖能力にも影響しません。しかし、人間に適切な用量の10倍から100倍の高用量で与えられた場合、奇形を引き起こす可能性があり、ほとんどの抗ウイルス薬と同様に妊娠中は避けるべきです。

イベルメクチンには人間用と動物用があり、動物用はかなりの高用量です。誤って大量のイベルメクチンを摂取し、不必要な害を引き起こさないよう注意が必要です。

改善すべき真の問題とは

承認を受けた医薬品の表示は、業界内の手続き上の遅れや知識不足による制限を受けることがよくあります。そのため、アメリカでは、承認された目的以外で医師が薬を適応外処方することが許可されています。

新型コロナ治療におけるイベルメクチンの使用に関する強力な臨床的証拠があったにもかかわらず、この薬は十分に活用されず、非科学的な理由で使用が禁止されることさえありました。

(上)の冒頭で言及した通り、最近、イベルメクチンをめぐる訴訟が和解に至りました。この一件は、医師と患者の関係に対する規制当局の過度な介入を抑える上で重要な一歩です。イベルメクチンや他の早期治療法が利用できていれば、多くの命が救われた可能性があります。しかし、それらは無視され、悪評を受け、十分に活用されませんでした。

低コストで自然由来の薬が新型コロナの治療に効果を示しているにも関わらず、新たに開発された効果の低い薬やワクチンの推進に数十億ドルが投じられ、予想外に多くの重大な副作用が報告されました。

本物の科学とは何でしょうか? 科学と医療を前進させる適切な方法とは何でしょうか?

イベルメクチンを発見してノーベル賞を受賞した大村智氏は、「微生物は無駄なことはしないという強い信念を持っています。それらが何を、どのように、どういう目的で生産しているか私たちが理解できないのは、知識と視野が足りないからです」と語りました。

人間は、流行病の予防を含め、自然がもたらす真の恩恵と価値を完全には理解していないかもしれません。

新型コロナウイルス感染症の発生以来、最先端技術を追求する人々と、より伝統的な方法を支持する人々との間で、静かな戦いが続いています。

先端技術を追求する側は、まだ不完全であるmRNA技術を使ったワクチン開発を選択しました。これによって、数億人もの人々が、前例のない大胆かつ大規模な実験の対象者となりました。

もう一方のアプローチは、私たち自身の内側に目を向け、食生活やライフスタイルを改善し、免疫のバランスを整え、自然療法を取り入れる方法です。

新薬やワクチンの開発を否定しているのではありません。効果的であれば、それは確かに良いことです。しかし、お金や政治、傲慢さによって私たちが盲目になり、真の科学を損なうことがあってはなりません。

科学研究の最終目標は人々に恩恵をもたらすことです。先進医療の治療法を追求することだけではありません。

ハイテクな合成食品が健康に最適ではないのはみなさんもご存知の通りですが、それと同様に、先進的な医薬品が常に最良の薬であるわけではないのです。

臨床医学の体系的な研究を始め、西洋医学の父とされるヒポクラテスが、今日のこの状況を想像できたとは思えません。

私たちはどれほど深く迷い込んでしまったのでしょうか? 害のある考えを捨て、正しい道に戻ることができる日は来るのでしょうか?

エポックタイムズのシニアメディカルコラムニスト。中国の北京大学で感染症を専攻し、医学博士と感染症学の博士号を取得。2010年から2017年まで、スイスの製薬大手ノバルティスファーマで上級医科学専門家および医薬品安全性監視のトップを務めた。その間4度の企業賞を受賞している。ウイルス学、免疫学、腫瘍学、神経学、眼科学での前臨床研究の経験を持ち、感染症や内科での臨床経験を持つ。