米首都ワシントンで9日、岸田文雄首相と裕子夫人はバイデン大統領とジル夫人に迎えられた(Photo by Andrew Harnik/Getty Images)

岸田首相訪米…「日本はどこであれ米国側に」防衛・情報協力強化で合意=米高官

岸田文雄首相とバイデン米大統領は、12日の首脳会談で、日米両国間の防衛及びインテリジェンス(諜報)協力を一層強化することで合意する見通しだ。ホワイトハウス高官が現地時間9日、明らかにした。東アジアや東欧など緊張の高まる地域の「どこであれ日本は米国側にいてくれる」と堅い信頼関係を強調した。

高官によると、防衛面での具体的な連携強化策については、今後数カ月以内にオースティン国防長官と日本側のカウンターパートが協議し詰めていく。日本には軍事・防衛装備品の生産面でより大きな役割を果たすことが期待されているという。

また、中国共産党によるインド太平洋地域での敵対的な行動が高まる中、マルコス・フィリピン大統領を加えた13日の日米比首脳会談では、各国間の連携を固めるなど明確な目標となっている。中国は最近、南シナ海でフィリピン船に放水するなど、海上で小競り合いを起こしている。

高官は「孤立するのは、フィリピンではなく中国(共産党)だ」と述べ、今週の3カ国首脳会談の意義を強調した。

情報協力に関しては、日本が機密情報保護のために「大幅な措置」を講じたものの、米英豪カナダNZによる「ファイブ・アイズ」諜報機関ネットワークに参加するために求められるレベルに達するには「まだ取り組むべきことがある」と法的・行政的な措置が必要性を指摘した。

また、日本は米英豪の安全保障協定AUKUS(オーカス)の「第2の柱」(先端技術)への参加に向けた協議を開始する。「日本はAUKUSの第2の柱に多大な貢献をもたらす可能性がある」と述べつつ、具体的にどの分野で貢献できるかは今後数カ月の協議で詰めていくとした。

これらハイレベルな目標は、日米両国が今週発表する予定の70項目に及ぶ行動計画の一部だ。防衛面に限らず、月探査協定や大学間の共同研究、高校生交換プログラムなど、幅広い分野で両国の結びつきを深める取り組みが発表される。高官は「日米関係は、21世紀後半に向けて最も重要な二国間パートナーシップになるだろう」との見方を示した。

高官は、日米同盟はバイデン大統領のインド太平洋地域諸国との関与強化によって世界中での協力が促進されるとの証左だと述べた。日本はかつて「周辺」のみを懸念していたが、近年ではウクライナを声高に支持し、対ロシア制裁を科し、中東での関与も深めていると評した。

高官はウクライナ、東南アジア、インド太平洋地域などをあげて「米国の目的が試されているどのようなところでも、日本は我々の側にいる」と深い関係性を強調した。

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