岸田文雄首相、延期したパーティに4000万円以上の収入…「返金など対応中」
岸田文雄首相は自身の資金管理団体が昨年12月に開催予定だった政治資金パーティーの収入について明らかにした。広島では約1250万円、東京では3200万円の収入で、返金等の対応は個別関係者と相談中だと述べた。
20日の衆議院予算委員会で野田佳彦議員(立憲民主)の質問に対する回答。
広島でのパーティーは12月8日開催予定だったが直前に延期となり、東京では同月15日開催予定だったがこちらも延期された。
「政治とカネ」をめぐる問題で国会では関連質疑が相次いでいる。これまで、二階俊博前自民党幹事長は50億円、茂木敏充現幹事長は10億円の政策活動費を受け取っており、詳細な使途が公開されていないことが問題視されている。
野田議員はこの日も、使途不明な制作活動費が「巨額のブラックボックスだ」と首相を追及。「在任中はパーティを行わない」(2月29日の答弁)との首相の言葉を引用しつつ、集められた政治資金をどのように扱い、収支報告書にどう記載するかを問うた。
岸田首相は、自身の政治資金パーティの延期に伴う返金等の対応は個別に関係者と相談中であり、最終的な収支については今年5月の報告書提出時に他の政治団体と同じタイミングで公開される予定だと答えた。
国会議員の政治活動費は毎年11月、総務省から公表される。
国会がいわゆる「裏金」をめぐる問題で議論が高まるなか、立憲民主党と国民民主党、無所属議員からなる有志の会は20日、政治資金規正法改正案を共同提出した。
この改正案の目玉は、議員本人への罰則強化だ。収支報告書の不記載などがあった場合、議員本人を公民権停止の対象とする「連座制」の導入を盛り込んだ。加えて、収支報告書への150万円超の不記載を「隠ぺい」とみなし、過失であっても公民権停止を含む処罰対象とするなど、罰則の強化も図った。
また、与党内でも賛否が割れる党から議員への「政策活動費」の支給について、野党案では全面的に禁止する方針を打ち出した。自民党案が使途の公開を条件に支給を認めるのとは対照的だ。政策活動費をめぐっては、「第二の政党交付金」との指摘もあり、野党側は制度の抜本見直しが必要との立場だ。
さらに、国会議員の政治団体から資金を別の政治団体に移す際の公開基準については、自民党案では年間1千万円以上とするのに対し、野党案では100万円以上に引き下げるなど、透明性を高める内容となっている。自民党は「野党案は政局的だ」との意見もあり、対立が深まっている。