台湾は自由と民主主義をリードする。(Photo by Yasuyoshi CHIBA / AFP) (Photo by YASUYOSHI CHIBA/AFP via Getty Images)

「平和は唯一の選択肢」頼清徳総統が就任

 

5月20日、頼清徳氏が中華民国第16代総統、蕭美琴氏が副総統として就任し、世界各国の代表が祝福に集まった。就任日には、頼清徳総統が就任演説を行った。演説の要旨は以下の通り。

中華民国総統 頼清徳氏は「台湾に対する世界各国からの注目と支援に心から感謝する」と謝意を述べて、挨拶を始めた。

5月20日、頼清徳氏と蕭美琴氏がそれぞれ総統と副総統に就任し、台湾の政治は新たな「頼蕭時代」へと歩みを進めた。

就任式後、頼清徳総統は訪問していた米国の超党派代表団との会談を行い、両国の協力を一層深め、米台関係を強化する方針を示した。

同日、米国のブリンケン国務長官も、頼清徳氏の台湾での民選総統としての就任を祝福し、台湾の人々が再び世界に民主主義の力を示したことを讃えた。

さらに、頼清徳総統は日本の代表団とも面会し、台湾海峡の安全に対する日本の関心と支援に感謝の意を表明した。

台湾海峡での緊張が高まる中、頼清徳総統は就任のスピーチで、台湾は民主主義と自由を守ることに妥協せず、平和が唯一の選択であると世界に向けて宣言した。

頼清徳総統は以下のように演説した。

「新しい政府は、四つの基本原則を守りつつ、謙虚さと自信をもって現状を維持することに努める。中国共産党(中共)には、台湾に対する圧力を止め、世界の責任を共に担い、台湾海峡とこの地域の平和と安定を守るよう、そして世界が戦争の脅威から解放されるように協力を呼びかける」

頼清徳氏はまた、中共が中華民国の存在を認め、台湾の人々の意志を尊重し、誠実で平等な立場で尊厳を保ちながら、対話を通じて対立を解決することを望んでいると述べた。

しかし、国民には中共に対する幻想を抱かないよう、また警戒心を持つよう呼びかけている。

頼清徳総統は以下のように加えた。

「たとえ中共の要求を全て受け入れ、主権を放棄したとしても、中共が台湾を併合しようとする野心は消えないだろう。中共からの様々な脅威や影響に対抗するためには、私たち自身が国を守るという強い意志を持つことが必要だ」

頼清徳氏が就任した日、中共の外交部はいつもの厳しい姿勢を見せ、「台湾の独立」を批判した。さらに、微博(ウェイボー)では「頼清徳」という言葉を含む投稿が全て遮断されていた。

 

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