中国人に対する中国共産党の洗脳は徐々に解かれている。イメージ写真(Lintao Zhang / Getty Images)

【単独インタビュー】前世と今生の狭間で 「小粉紅」はこうして反共主義者に変貌した

初夏の暖かい日差しがカフェの窓から差し込み、木製のテーブルに柔らかな光を投射する。カップの中のコーヒーをかき混ぜる顔さん(ヤンさん、中国人留学生)の目には、深い思索の色が宿っていた。中国本土の学校に通い、愛国主義を信奉していた彼は、今や全く異なる道を歩んでいる。その眼差しの奥には、語り尽くせない数々の物語が潜んでいた。

内心の変化は、一見何気ない出来事から始まることがある。一本の映画、ひとときの会話、そうした要素が彼の内面に深い影響を与えてきた。映画『大隻佬』(Running on Karma)で顔さんの心に生じた波紋は、やがて「小粉紅」[1]を反共主義者へと導くこととなった。真実に向き合うなかで、顔さんはどのような心の旅路を歩んだのか。一連の出来事を彼自身の言葉で語ってもらった。

[1] 中国共産党を熱心に支持し、インターネット上で中国の国家主義的な立場を強く擁護する人々

▶ 続きを読む
関連記事
中共第21回党大会を前に、高官の摘発が加速している。2026年上半期に処分された省・閣僚級以上の幹部は74人に上り、前年同期の2倍を超えた。専門家は、相次ぐ処分によって官僚の間に不満や動揺が広がっているという
中共は7月23日、元幹部3人に対する厳重処分を相次いで発表した。温家宝元首相の元秘書が「偽造身分証」を使用していたという異例の罪名が浮き彫りになったほか、機密漏えいや大学内の不正など、中共官僚機構の深い腐敗構造が改めて露呈
中国の一部SNSアカウントが中共幹部の失脚を事前に示唆している問題で、官製メディアが体制内の「内通者」による情報漏えいを報道した。学者は金銭目的だけでなく、党大会前の権力闘争や派閥間の情報戦が背景にある可能性を指摘
中国の国有金融機関幹部を対象に資産や収入の厳格な調査が進む中、監査回避を目的に離職しパスポートを取得して海外へ渡る動きが浮上。資産確認は家族名義や海外不動産にも及び、当局は実態把握を急いでいる
中国共産党(以下、中共)の権力の本質は、典型的な「土匪型権力」である。すなわち、暴力によって権力を奪取し、さらに暴力によってその権力を維持するというものである。