視力障害を持つ13歳の心の優しい少年が、サウスカロライナのマイナーリーグの野球の試合で、アメリカ国歌を見事に歌い上げ、観客を感動させました。
サウスカロライナ州の少年、ソーヤー・マッカーシーくんの感動的なパフォーマンスのビデオは、1千万回以上再生され、アメリカ国内だけでなく世界中の人々に届けられました。
「世界中の人々がアメリカの国歌に心を寄せていました。それは彼らの国歌ではないのに、その美しさに惹かれたのです」と、ソーヤー・マッカーシーくんの母親であるブリアナ・マッカーシーさん(31)は大紀元に話しました。
しかし、この動画の人気を超えて、彼の母親は、「そのビデオには、多くの人が気づいていない、より深い意味があります」と述べました。
ソーヤーくんは、視神経低形成と下垂体機能低下症という障害を抱えています。認知機能の遅れや学習障害の症状が見られ、歌のレッスンを受けたことは一度もありません。
「金曜日の朝の集会の前に、彼は国歌を歌い始めるようになりました」と母ブリアナさんは語りました。
「クラスで誰かの誕生日があると、彼がいつも最初に『ハッピーバースデー』を歌い出します……私たちは彼にリードを取らせることにしたんです」
「ソーヤーは自ら歌うことに挑戦し、それは学校の合唱プログラムでひっそりと始まりました」
昨年、マッカーシー家はコロンビア・ファイヤーフライズという野球チームから連絡を受け、7月3日に「ゴッド・ブレス・アメリカ」を歌うことについてソーヤーくんが興味があるかどうかを尋ねられ、家族はこれを承諾しました。言うまでもありませんが、ソーヤーくんはその曲を初めて歌ったにもかかわらず、「素晴らしい」パフォーマンスを披露しました。
2024年の初め、マッカーシー家は再びコロンビア・ファイヤーフライズから連絡を受け、4月28日の試合で「星条旗」をソーヤーくんに歌ってほしいと依頼を受けました。
ソーヤーくんは再び快くこれを受け入れました。しかし、試合前に、マッカーシー家は衝撃的なニュースに直面しました。ソーヤーくんの愛する祖父が神経膠腫(脳腫瘍)と診断されたのです。
今回、ソーヤーくんが国歌を歌った際、彼の祖父は脳手術を控え、病院でその時を待っていました。
母ブリアナさんは、ソーヤーくんが初めて歌った時には、祖父が一緒にいたことを話しました。孫の歌をその日に見ることの大切さを理解していた彼女は、試合前に父親とFaceTimeで話しました。
彼女が知らなかったのは、コロンビア・ファイヤーフライズがソーヤーくんの見事なパフォーマンスを録画し、その映像をネット上で公開していたことでした。そのビデオが瞬く間に話題になりました。
マッカーシー夫人は、そのビデオの再生回数が数週間で百万回を突破し、やがて1千万回を超えるのを目の当たりにして驚きました。彼女が再生回数をソーヤーくんに伝えるたび、彼はいつものように謙虚な反応を見せたといいます。
「彼はいつも同じ反応をします」と母ブリアナさんは述べました。「いつも笑顔で、『ママ、それは本当にすごいね』と言うのです」
「彼はこのことが自分自身のためではないと理解しています。彼はみんなに、自分の才能や声のギフトは神からのものだと知ってもらいたいのです」と彼女は続けました。
「彼はいつも、感謝の意を示すべき本当の所在をしっかりと指摘します。これはすべて神のおかげで、栄光は全て神に属します」
息子の才能が世界中に認められたことを、母ブリアナさんは誇りに思ったと言います。
「彼はとても大きな影響を与えています。彼が私たちに毎日もたらすその影響は、今では世界中に広がっています」と母ブリアナさんは述べました。
「ソーヤーは、その種の影響力を心の中に持っています。彼は心から本当に美しい子です。内面も外見も」
障害を超えて
ソーヤー君は2011年11月10日に生まれました。両親はともに若く、親戚も近くにいませんでした。若い彼らが直面した困難は、ソーヤーくんが生後3か月の時に、ある眼科医の診察でさらに深まりました。
その医師はソーヤーくんの瞳を広げ、「視神経が死んでいるように見える」と説明しました。MRI検査により、ソーヤーくんの脳の中央構造が非常に薄く、ほぼ存在しないこと、そして彼の視神経が未発達であることが判明しました。
その後、ソーヤー君は視神経低形成と下垂体機能低下症という診断を受けました。この診断結果は両親に大きな衝撃を与えました。
「若い親という立場に加えて、特別支援が必要な子の親であることが重なった時、私たちの世界は完全にひっくり返ったように感じました」と母ブリアナさんは述べました。
「しかし、 信じられないかもしれませんが、神様はこの小さな赤ちゃんを通して、最も素晴らしい方法で私たちの人生を根底から変えてくださいました」
障害を抱えているにもかかわらず、ソーヤーくんは自分の目指す目標に向かって進むことを一度も諦めたことはありません。
「彼には、私たち夫婦が何をしているのかわからなくても、いつも励ましてくれるような心があります」と、6人の子供を持つ母ブリアナさんは語ります。「それが彼の本質で、彼の優しさ。彼は人を励ますのが得意なんです」
ソーヤーくんの状態は成長に応じて変わりますが、彼の両親は最善を尽くして課題を乗り越えようとしています。
「実を言うと、彼は私たちのことをとても楽にしてくれるんです」と母ブリアナさんは述べ、ソーヤーくんの明るい性格が彼ら夫婦にとっての子育てを助けていると話しました。
素晴らしい歌声を持つソーヤーくんは、チャンス、サットン、スカウト、サリー、ケイト、フォスターという5人の兄弟がいる中で、芝刈りやドリルを使うことなど、他にはない特別な趣味を持っています。
ソーヤーくんは神様を心から愛し、毎日聖書を聴いています。
「彼は将来、牧師になりたいんです。自分の声を神様のために使い、賛美の歌を歌いたいと思っています」と彼の母親は語りました。
ソーヤーくんの物語を世界に伝えるにあたり、彼の母親は次のように述べています。
「ソーヤーを見て、私たち人間が思っている以上に大きな可能性を秘めていることを、人々が気づいてくれることを願っています。私たち一人一人が、自分自身や他人にもっと優しく接し、寛容で親切な社会になることを望みます。…… 今、世界が求めているのはまさにその心です」
素晴らしいパフォーマンスをご覧ください:
(コロンビア・ファイヤーフライズ提供)
(翻訳編集:柴めぐみ)
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