元シークレットサービスエージェント、子供たちに危険を避けることを教える6つの方法(上)

親は子供をこの世で最も大切な宝物とみなします。彼らを保り、人生の試練に立ち向かうための準備をすることを重要な責任としています。もし、かつて世界で最も権力のある人々の護衛を務めた人物から、その方法についての洞察を得られたらどうでしょうか。

元シークレットサービスエージェントのエヴィ・ポンプラス(Evy Poumpouras)氏は、4人のアメリカ大統領とその家族の警護にキャリアを捧げました。エージェントを退職した後は、一般市民が自分自身を身体的、精神的に守る方法を教えることに専念しました。同氏の著書『Becoming Bulletproof』(防弾)では、、自身の経験を活かし、読者に回復力を高める方法、人や状況を見極めるスキル、被害者にならないための戦略を伝授しています。

ポンプラス氏は、自分のアドバイスが恐怖をあおるためのものではなく、意識的に生活するためのものであると述べています。「皆さんは自分や子供がどれほど弱いかに対して発言権を持っています。子供たちに正しい選択を教えることで、危険な状況にさらされる可能性が減ります」

ポンプラス氏は約2年前に母親になりました。それ以来、彼女の他人を守るための尽力は、より個人的な意味を持つようになりました。ここでは、ポンプラス氏が提言した危険を避ける具体的な方法と、子供たちがたくましい心を育むアドバイスを紹介します。

 

1. スクリーンを見させない

子供たちの電子機器やインターネットアクセスに関して、ポンプラス氏の答えは「絶対にノー」です。一方で、多くの研究が示すように、画面自体が子供の注意持続時間や心理的発達に影響を与えます。「私の娘はまだ2歳にも満たず、スマホ、タブレットまたはテレビの画面を見たことは一度もありません」ポンプラス氏は、音だけを聞かせることにこだわり、画面に映像を映さないようにしています。

デバイスがインターネット接続機能を備えていると、安全性の問題が生じます。ポンプラス氏はそれを、子供をニューヨークのタイムズスクエアの中央に放り込み、好きな相手と話させるのに例えています。「その状況が不快に感じるのであれば、インターネットに接続されたスマホを子供に与えることにも抵抗があるはずです」

ネット上で見知らぬ人が子供と話すことができる場合、2種類の危険があります。まず、相手が捕食者であり、子供を虐待する場所に誘導しようとしている可能性があります。彼らは他の子供になりすましたり、自分の子供を利用して、あなたの子供を自分の家に誘い込んだりするかもしれません。

武道や演劇のクラスを習うなどの活動は、若者が自信をつけるのに役立ちます(Biba Kayewich)

次に、親としてのあなたが子供の人生で最も影響力のある存在であるべきです。ところが、ネット上で他の人々と接触することで、動画やソーシャルメディアのインフルエンサー、その他の人々があなたの子供に何を考え、何を信じるべきかを教えようとします。ポンプラス氏は「たとえ捕食者でなくても、子供たちは他人の価値観を吸収し、あなたが同意しないかもしれないそれらの価値観を身につけることになるでしょう」と警告しています。

「子供たちに理性的な声を届けるのはすでに難しいです。今度は、自分ではコントロールできない外部の存在を持ち込むことになります」

ポンプラス氏のアドバイスは、子供が成熟し、誰の言うことを聞くべきか、何を避けるべきかを理解できるようになるまで、デバイスを持たせないことです。持たせることが出来るようになった場合でも、デバイス使用状況とやり取りを監視する必要があります。

 

2. 子供に自信をつける

自信を持つことは、強い人になるための重要な要素です。特に発言を恐れる子供たちにとっては、演技の授業が自信を育むのに非常に役立ちます。ポンプラス氏は演劇学校を卒業し、その後シークレットサービスエージェントになりました。彼女は娘が成長したら、自信の基盤を築けるよう、演技の授業に通わせるつもりです。

ポンプラス氏はブラジリアン柔術などの武術も推奨しています。自分の体をどう扱うかを知ることで、子供たちは自分を守れると信じることができるようになります。

同氏は、「子供に与えられる最大の贈り物は、何かを乗り越える力がある、または何かに対処できる能力が自分にはあるという自信を持たせることです」と語りました。

武道や演劇のクラスを習うなどの活動は、若者が自信をつけるのに役立ちます(Biba Kayewich)

 

3.自分の直感を信じるよう教える

直感を信じることは、シークレットサービス、法執行機関、軍隊での重要な要素であり、危険を回避するスキルとして非常に重要です。

多くの人は危険の兆候を合理化して過小評価し、その瞬間の危険を軽視しがちです。後になって自分の直感が正しかったと気づくことがあります。ポンプラス氏は、これらの直感はあなた自身を守ろうとする本能であり、無視してはいけないと説明しています。子供に直感を信じることを教える最良の方法は、自分自身が直感を信じる姿を見せることです。ポンプラス氏は「親が自分を信じなければ、子供たちも自分を信じなくなります。子供たちは私たちを見て学んでいるのですから」と述べています。

直感を育むことは、自分を信じることから始まります。ポンプラス氏は「あなた以上にあなたのことを気にかける人はいません。ですから、その内なる感覚に耳を傾けないなら、自分を信じない理由を自問しなければなりません」と指摘しました。

つづく