雑草が、がん治療に挑む! 最新レビューで明かされる効果(3)

(続き)

その他の12種の抗がん植物

最近のレビューで検討された12種の植物は、サワーソップ(Annona muricata)、ブラックカラー(Arum palaestinum)、ヘンプ(Cannabis sativa)、マダガスカルジャスミン(Catharanthus roseus)、ウコン(Curcuma longa)、甘草(Glycyrrhiza glabra)、モリンガ(Moringa oleifera)、ハイビスカス(Hibiscus rosa-sinensis)、ミルクシスル(Silybum marianum)、キョウチクトウ(Nerium oleander)、カランコエ(Kalanchoe blossfeldiana)、アシュワガンダ(Withania somnifera L)です。

ウコン、甘草、ハイビスカス、ヘンプ、アシュワガンダ、ミルクシスルは、ハーブに詳しい人々によく知られています。特に熱帯地域に住んでいる人にとっては、サワーソップも馴染みがあるかもしれません。

ウコン(Shutterstock)

 

一方、キョウチクトウ、ブラックカラー、マダガスカルジャスミン、カランコエなどは、庭や室内の装飾植物として見られることが多いです。インド亜大陸が原産で、主に南アジアで利用されるモリンガは、最も馴染みが薄い植物かもしれません。

これらの植物はすべて高く評価される植物薬と言えます。

注意 キョウチクトウのすべての部分は有毒です。
 

進行中の植物薬理学研究

たとえば、2022年のレビューでは、サワーソップの治癒効果が高く評価されています。抗がん、抗菌、抗酸化、抗潰瘍、抗糖尿病、抗高血圧、創傷治癒の薬理効果が特に印象的です。

別のレビューでは、サワーソップの葉の抽出液(300ミリグラム)を摂取した患者は、大腸がん細胞の増殖が抑制できたと報告されています。

サワーソップ(Shutterstock)

また、大腸がんに効果を示す植物医薬としてアシュワガンダがあります。2023年の研究では、このハーブとその生物活性化合物が少なくとも5つの異なる方法でがん細胞の死滅を解明しました。

アシュワガンダは代替医療分野で「驚異の薬」とも呼ばれ、抗がん、抗炎症、アポトーシス誘導、免疫調節、抗菌、抗糖尿病、肝保護、低血糖、低脂血症、心臓保護、精子生成などの機能を持つ生物活性化合物です。

しかし、数多くの研究やレビューでは、「確立された量と濃度の測定が不足している」あるいは単に植物に関する幅広い医学的研究が不足しているため、さらなる研究が必要です。
 

禁忌と副作用

一般的に、植物性の医薬品は強力な薬剤です。多くの植物は副作用がなく、健康な細胞に影響を与えずにがん細胞を自然に標的とすることが多いのですが、そのメカニズムはまだ完全に解明されていません。しかし、誤った植物や用量を摂取すると、害を及ぼし死に至ることもあります。

 

タンポポ、イラクサ、ゴボウに関する注意点

  • イラクサは生で食べてはいけません。新鮮な葉は皮膚に刺激を与えます。
  • タンポポの葉は、過剰に摂取したり長期間使用したりすると胃の不調を引き起こします。これは胃酸の過剰分泌を促し、下痢を引き起こす可能性もあります。
  • タンポポの根は、胃酸過多、胃炎、潰瘍、胸焼けのある人は慎重に摂取すべきです。
  • 妊娠初期に、ゴボウを摂取する際には少量に留めるべきで、低血糖の方は特に注意が必要です。

 

アドバイス

野生や公共の場所でハーブや植物を採集する場合は、汚れた場所や汚染された場所の植物を避け、食べる前や加工する前に洗ってください。また、植物を根こそぎ採らないでください(翌年も生えてくるようにするためです)。

 

ご注意

ハーブに関する個別の推奨事項や用量については、地元のハーブ専門家にご相談ください。既に薬を服用中の人は、ハーブサプリメントを取り入れる前に医師の助言を仰いでください。この記事は情報提供を目的としており、筆者が医師や公認の栄養士としての責任を負うものではありません。

(完)

 

(翻訳編集 青谷荘子)