写真はドイツ・ミュンヘンで陳列されているウクライナの戦争遺構 (Photo by Tobias SCHWARZ / AFP)

【寄稿】西側諸国はプーチンの奇策を打破できるのか

13、14日のG7サミットに引き続き15、16日とスイスのビュルゲンシュトックで、100の国と国際機関が参加して世界平和サミットが開催されたが、バイデンは事前に欠席すると発表していた。代わりに米副大統領のカマラ・ハリスが出席したが、問題は、欠席の理由だ。

米国における選挙キャンペーンに参加するためだという。世界の92の国と8国際機関が参加する外交の大舞台を欠席して、自分の選挙活動に専念しなければならないと言うのなら、次期大統領に当選できるかどうか、危ういと自ら認めた様なものである。

世界平和サミットは、2022年2月にロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領が同年11月に提唱した和平提案を議論するために、今回初めて開催された。ところが、ウクライナの最も強い後ろ盾である米国が副大統領しか送らず、中国は不参加、ロシアはもともと招待されていないから、盛り上がりの欠けた会合にしかなりようがない。

▶ 続きを読む
関連記事
指令なき思想の統一はいかにして起きるのか。グラムシの「文化的覇権」を手がかりに、メディアや娯楽、教育を通じて無意識に深まる言論の均質化と、その基盤となる「道徳的機構の空洞化」の構造を鋭く解き明かす
論語・学而篇の第二章を紐解き、「孝弟」こそが仁の根幹であり家庭と国家の安定の礎であることを解説。現代の歪曲を正し、先賢の普遍的な教えと徳育の重要性を問い直す
京都の小道に佇む、錆びた鉄の箱と無人販売所。それは単なる集金箱ではなく、人の善意を信じる「仮定」そのもの。孔子の教えを引き合いに、当たり前すぎて気づかない日本の「信」の文化を鮮烈に描くエッセイ
混迷の時代にこそ読み解きたい『論語』の真髄。孔子が「学而篇」の冒頭に込めた、真の学びと徳を積む生き方とは。現代教育が忘れ去った「人間としての根本」を紐解く
なぜ知識人は過激な理想郷に魅了されるのか。人間の「善意」や「正義感」が持つ構造的な弱点を見つめ直し、情報に流されない冷徹な判断力の必要性を説く。現代のSNS社会にも通じる、足元の危機を炙り出す論考