岸田文雄首相は27日の参院予算委員会で、2023年度から5年間で43兆円とした防衛力整備計画について、閣議決定した数字でありその範囲内で効率化など工夫すると強調した。写真は観閲式に参加した岸田首相。2021年11月、陸上自衛隊の朝霞駐屯地で撮影(2023年 代表撮影)

2024年版『防衛白書』発表 台中緊張で日本の防衛力強化の必要性強調

米中間の「戦略競争」と称される覇権争いが激化している中、世界の火薬庫とも称される台湾海峡は、常に武力衝突の脅威が存在する場所だ。7月12日に発表された年度版『日本防衛白書』は、中国が台湾周辺での軍事演習を増やしていることについて初めて警告を発している。また、中国とロシアが日本周辺で行っている共同軍事活動について「深刻な懸念」を表明し、北朝鮮の脅威がこれまでになく大きくなっていることも指摘している。

2024年版『防衛白書』は、防衛省がその防衛活動と安全保障上の課題を総括し、台湾周辺の緊張、米中競争の激化、ロシア・北朝鮮の軍事関係の深化などについての立場を概説し、「(中国の)軍事活動の増加により、中国と台湾の間の緊張が高まる可能性を排除できない」と述べている。

台湾の新総統・頼清徳氏が5月に就任した後、台湾周辺で中国が大規模な演習を行ったことが国際社会の懸念を引き起こしている。アメリカの高官は以前、これらの演習が台湾侵攻の準備として重要であると指摘している。今週、台湾は中国が太平洋近海で航空母艦「山東」を用いた「海空連合訓練」について注視している。

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