必見! 脳卒中や認知症に繋がる検診項目

心臓病、卒中、認知機能の低下及びうつ病は中高年の間によく見られる病気です。症状は様々ですが、ある検診項目に異常を示すことが多い、それは「ホモシステイン(homocysteine, Hcy)」の数値です。

あまり知られていなく、医師からほとんど聞かれない検査項目ですが、とても重要で無視できません。

 

ホモシステイン――健康指針

ホモシステインは必須アミノ酸の一つであるメチオニンの代謝における中間生成物で、食事から直接摂取することはできません。人メチル化(神経伝達物質、遺伝子修復と発見など化学的プロセス)において重要な役割を果たしています。

健康成人の場合、ホモシステインが血液における数値は1リットルあたり約5から15マイクロモル(μmol/L)です。15マイクロモル超えると「高ホモシステイン血症」と呼び、以下、二種類の疾患との関連が報告されています。

 

1. 血管内皮細胞の損傷

高ホモシステイン血症は血管内皮細胞の損傷及び血管拡張機能の障害を引き起こし、血管の弾力性を低下させます。血管内皮細胞が一度損傷すると、血球成分、血液凝固因子、コレステロールなどが損傷部位に蓄積し、血栓症になりがちです。高ホモシステイン血症は心血管に起きると、心血管疾患を引き起こし、脳血管に起きると、脳卒中を引き起こします。脳卒中や心血管疾患の患者の健康診断を見ると、ほとんどは「ホモシステイン」の項目が高い数値を示していたのです。

 

2. 認知障害及び情緒障害

ホモシステインは人体のメチル化に関与していることで、脳の大事な神経伝達物質の代謝と機能に影響を与えます。そのため、血液中のホモシステイン数値が高ければ、認知障害や情緒障害を引き起こす恐れがあります。

 

過去の実病例

次は、実際に起きた臨床病例で、高ホモシステイン血症の具体的な症状と治療方法について見てみましょう。

 

「高血圧」の場合

患者さんは55歳の男性で、胸痛と高血圧を訴え、受診してきました。心臓病の家族歴があります。検査で、ホモシステイン数値は18となり、高ホモシステイン血症であることが分かりました。彼は心血管の健康に関する複数の検査(心臓エコー検査やストレステストなど)を受けましたが、臓器に問題は見つかりませんでした。病気のきっかけは不規則な生活習慣、ストレス、運動不足だと見られ、血圧を下げる治療と共に、高ホモシステイン血症を調整する薬を処方しました。

 

「一過性脳虚血発作」の場合

患者さんは68歳の女性で、一過性脳虚血発作が起き受診してきました。彼女のホモシステインの数値は20でした。彼女は普段、市販のサプリでビタミンを補給していますが、依然、ビタミン12が不足しています。脳のMRI検査を受けるほか高純度ビタミンB12の注射、葉酸とビタミンB6を補充しながら食事の見直しを行います。

 

「認知機能の低下」の場合

患者は72さんの男性です。記憶の問題で受診してきました。彼は鍵を忘れたり、外出する際にガスコンロを消し忘れたりして、物忘れがひどくなりました。そのせいで、家財管理も困っています。検査の結果、彼のホモシステイン数値は非常に高くて25に達し正常範囲を超えています。治療には、従来の認知機能検査や投薬のほか、ビタミンB群をたっぷり補給し、果物、野菜、全粒穀物を摂らせました。健康によく、脂肪を多く含む地中海式食事法も採用しました。

 

「骨粗鬆症」の場合

患者さんは60歳の女性で、重度の骨粗鬆症を患っており、転んで何度も骨折を経験しました。彼女のホモシステイン数値は22でした。研究では、ホモシステインが骨粗鬆症と深いつながりがあるとすでに判明していたので、彼女にビタミンD3、カルシウムやリンを補給しました。高ホモシステイン血症を対策する治療も必要です。

 

妊婦の場合

患者は流産歴のある31歳の妊婦で、妊婦検診でホモシステイン数値が19でやや高いと気付きました。高ホモシステイン血症は高血圧、小児てんかん、及び産後のうつ病など合併症を引き起こす恐れがあります。栄養素を補給し、ホモシステイン数値を調整することは、彼女だけではなく胎児にとっても重要でした。

 

数値が高い原因及び栄養素の補給

高ホモシステイン血症の原因は通常二つあります。一つは遺伝です、メチル化障害によるホモシステインの高数値が挙げられます。もう一つは必要な栄養素が足りないです、食事から大事なビタミン、特に葉酸、ビタミンB12やB6を満足に摂取できなかったか、体の消化に問題が起き、摂取した栄養素をうまく吸収できなかったと見られます。

高ホモシステイン血症の患者に役立つ栄養素

 

1. 葉酸

葉酸は、メチル化過程で形成されたホモシステインをメチオニンに変換でき、メチル化を継続させる役割を果たします。葉酸の供給源には、緑黄色野菜、果物、豆類、機能強化食品などがあります。毎日400〜800マイクログラムの補給を推奨します。

 

2. ビタミンB12

葉酸とともにホモシステインをメチオニンに変換します。メイン供給源は肉類、乳製品、卵です。サプリもあります、一日500〜千マイクログラムの補給を推奨します。

 

3. ビタミンB6

ホモシステインをシステインに変換する補酵素です。メイン供給源は、鶏肉、魚類、じゃがいも、ひよこ豆、バナナです。一日50〜100ミリグラムの補給を推奨します。

 

4. ベタイン(トリメチルグリシン)

身体がB6、葉酸、B12をうまく利用できない場合に、ベタインはホモシステインをメチオニンに変換する別道を提供します。メイン供給源は小麦胚芽、ほうれん草、ビーツ、貝類です。一日に500〜2千ミリグラムの補給を推奨します。

 

5. コリン

ベタインの代謝経路をサポートします。メイン供給源は卵、レバー、ピーナッツ、大豆製品です。一日425〜550ミリグラムの補給を推奨します。

 

6. オメガ3脂肪酸

高ホモシステイン血症がもたらす心血管疾患リスクを低減します。メイン供給源はサーモン、サバ、イワシ、亜麻仁、クルミです。EPAとDHAに合わせて、一日1〜2グラムの補給を推奨します。

ホモシステインは中高年や妊婦の健康に深く関わっています。気になる場合に、検査を受け、数値をしっかり把握し、早めに食事の見直しや栄養補給をするべきです。

 

(翻訳編集 正道 勇)

慢性的な精神、行動、身体の病気を対象とした統合医療医。中国医学の医師。精神科認定医。統合医療の楊研究所とアメリカ臨床鍼灸研究所の創設者兼ニューヨーク北部医療センターのCEO。『Integrative Psychiatry(統合精神医学)』、『Medicine Matters(医学の重要性)』、『Integrative Therapies for Cancer(癌の統合療法)』に貢献。また、ハーパーコリンズの『Facing East: Ancient Secrets for Beauty+Health for Modern Age(現代の美と健康のための古代養生法)』とオックスフォード大学出版局の『Clinical Acupuncture and Ancient Chinese Medicine(臨床鍼灸と古代中国医学)』の共著者。