簡単で美味しい、緑豆を使った暑さ対策の食療法

7月6日から8月6日までの間は、小暑と大暑の2つの節気があり、の中で最も暑さに見舞われやすい時期です。軽い熱中症でも頭痛やめまい、さらにはおうとを引き起こすことがあります。たとえ熱中症にならなくても、高温多湿の環境により食欲不振や多汗、口の乾き、さらには寝つきの悪さが続くことがあります。

このため、食事には体を冷やす効果がある食材や、消化を助ける食材を取り入れることが大切です。例えば、緑豆、あずき、黒豆などは昔から暑さ対策に使われている食材で、軽い熱中症にも良い効果があります。特に緑豆が効果的です。

しかし、緑豆がない場合でも、代わりに似た効果を持つ食材を使うことができます。

暑さを和らげる食材は体を冷やす効果がありますが、多くは冷えやすい性質を持つため、適切に組み合わせないと胃腸を痛め、おうとや腹痛、下痢を引き起こします。そのため、消化を助けたり体を温めたりする効果のある食材を加え、最適な効果を得ましょう。

それでは、簡単なレシピとその効能をご紹介しましょう。

 

レシピ1
生姜と黒糖入り陳皮緑豆のデザートドリンク

これは伝統的な中華風ドリンクで、暑さを和らげ、消化を助け、気血のめぐりを良くする効果があります。

(Olga_Anourina / shutterstock)

 

材料

緑豆 200グラム

陳皮(なければ新鮮なオレンジの皮でも可) 10グラム

生姜 10グラム

黒糖 適量

水 約1.5リットル

 

作り方

1.緑豆を洗い、2時間水に浸します。

2.陳皮を水で柔らかくし、洗って細かく切ります。新鮮なオレンジの皮を使う場合は、洗ってから直接細かく切ります。

3.生姜の皮をむき、薄切りにします。

4.鍋に水を入れ、緑豆と生姜を加え、強火で沸騰させた後、弱火にして緑豆が柔らかくなるまで煮ます。(約40分、好みによって調整してください)

5.陳皮を加え、さらに5分煮ます。

6.最後に黒糖を加えて味を調えます。黒糖の量は好みに合わせて調整してください。

 

中医学の効果

緑豆 体を冷やし、肝、心、胃の働きを助けます。熱を取り除き、暑さを和らげ、喉の渇きを癒します。また、利尿作用で手足のむくみを改善する効果が期待されます。

陳皮 消化を助けます。胃の冷えを和らげ、食欲不振やおうとを緩和します。

生姜 胃の冷えやおうと、下痢、腹痛、食欲不振を和らげます。

黒糖 血行を良くし、筋肉のけいれんを緩和します。また、体力を回復させる効果があります。

 

総合的な効果

この生姜と黒糖入り陳皮緑豆スープは、夏に食べると暑さを和らげ、心を落ち着け、消化を助け、胃腸を保護する効果があります。また、血行を促進し、体力を増強し、体のバランスを整えます。美味しくて健康に良い伝統的なデザートです。

 

レシピ2 春雨入り3種の豆のデザートドリンク

3種類の豆のデザートドリンクは、緑豆、あずき、黒豆を使った健康飲料です。これは中国の古代から伝わる飲み物で、体を冷やし、暑さやむくみを和らげ、体内の余分な水分を排出し、全身の調子を整える効果が期待されます。

日本では緑豆を見かけることは少ないですが、緑豆から作られた春雨は手に入りやすいです。そのため、緑豆の代わりに春雨を使って、同じような効果が期待できる3種の豆のドリンクを作ることができます。

※緑豆があればさらに良いでしょう。

 

材料

春雨 100グラム(緑豆でも可)

あずき 100グラム

黒豆 100グラム

水(適量)

黒糖または氷砂糖(適量)

 

作り方

1.あずきと黒豆を洗い、2時間水に浸けます。(緑豆を使う場合は、一緒に入れましょう)

2.浸したあずきと黒豆(緑豆)を鍋に入れ、適量の水(約1.5〜2リットル)を加えて強火で沸騰させます。その後、弱火にして豆が柔らかくなるまで煮ます。

3.春雨を加え、さらに5〜10分煮て春雨が柔らかくなるまで煮続けます。(緑豆を使った場合はこの手順を省いてください)

4.最後に黒糖または氷砂糖を加えて味を調え、砂糖が完全に溶けるまで煮ます。

(NIKCOA / shutterstock)

 

中医学の効果

春雨(緑豆) 体を冷やし、暑さを和らげる効果があります。特に暑い夏におすすめです。

あずき 体の余分な水分を排出し、むくみを和らげます。また、心のストレスを軽減し、リラックス効果もあります。

黒豆 腎臓の働きを助け、体全体の水分バランスを整える効果があります。特に、体力が落ちているときにおすすめです。

 

お薦めの人

夏は暑さだけでなく湿気も多く、体に負担がかかりやすいです。3種の豆を使ったこの飲み物は、体を冷やし、余分な水分を排出する効果があり、特に暑さに弱い人や体力が落ちている人に適しています。また、エアコンの効いた部屋で過ごすことが多く、汗をかかない人にもおすすめです。

 

レシピ3 3色野菜の春雨サラダ

この料理はさっぱりとしていて健康的で、夏の暑さを和らげるのにぴったりです。

(yoshi0511 / shutterstock)

 

材料

春雨(100グラム)

緑豆もやし(150グラム)

きゅうり(1本)

にんじん(1本)

玉ねぎ(半分)

にんにく(2片、みじん切り)

醤油(大さじ2)

酢(大さじ1)

ごま油(大さじ1)

砂糖(小さじ1)

塩(適量)

辛いのが好きな方は、ラー油(適量)

 

作り方

1.春雨をぬるま湯で戻し、ゆでた後、冷水で冷やして水気を切ります。

2.緑豆もやしを洗い、ゆでた後、冷水で冷やして水気を切ります

3.きゅうりを洗い、細切りにします。

4.にんじんの皮をむき、細切りにします。

5.玉ねぎの皮をむき、薄切りにします。

6.にんにくをみじん切りにします。

7.小さなボウルに、にんにく、醤油、酢、ごま油、砂糖、塩を混ぜ合わせます。お好みでラー油を加えます。

8.大きなボウルに、春雨、緑豆もやし、きゅうり、にんじん、玉ねぎを入れ、たれを加え、全ての食材に均等に絡むようにしっかりと混ぜ合わせます。

9.冷蔵庫で15〜20分ほど冷やすと、さらに味が馴染んで美味しくなります。

 

中医学の食療効果

緑豆もやし 甘くて冷たい性質があり、脾と胃に良い影響を与えます。熱を冷まし、体内の毒素を排出し、利尿作用があり、むくみを改善します。

きゅうり 甘くて冷たい性質があり、脾、胃、大腸に働きかけます。熱を冷まし、喉の渇きを癒し、利尿作用があります。夏の暑さでのどが渇く時や尿の減少などに効果的です。

にんじん 温かい性質で、胃腸をサポートし、消化を助け、栄養を補給します。特に夏の食欲不振時に適しており、肝臓を補い目の健康を保ちます。

玉ねぎ 温かい性質で、辛味があり、気血を巡らせ、食欲不振を改善します。春雨やもやし、きゅうりの冷たい性質が胃に影響を与えないようにバランスを調整してくれます。

 

このサラダは多くの食材を組み合わせており、美味しいだけでなく、中医学的にも多くの効果があります。特に、熱を冷まし、暑さを和らげ、利尿作用やむくみの解消、胃腸を強化して食欲を増進させるなど、夏にぴったりの一品です。

 

注意 冷たい食べ物の過剰摂取に注意

夏は胃腸が弱くなりがちです。暑い中で大量の冷たい食べ物を摂ると、脾胃が処理しきれず、体温調節が乱れ、吐き気やおうとの原因となることがあります。冷たいものの摂取には注意し、日頃から過度な取り過ぎを避けるようにしましょう。

 

(翻訳編集 華山律)

白玉煕
文化面担当の編集者。中国の古典的な医療や漢方に深い見識があり、『黄帝内経』や『傷寒論』、『神農本草経』などの古文書を研究している。人体は小さな宇宙であるという中国古来の理論に基づき、漢方の奥深さをわかりやすく伝えている。