2024年2月27日、スペインのバルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレスで撮影されたAI(人工知能)(Josep Lago/AFP via Getty Images)

AIのパラドックス  「誰がAIを監視するのか?」

人工知能(AI)の急速な導入に馴染みがあるのは、過去にも類似の状況があったからだ。90年代後半、あらゆる規模の組織、特に大企業やエンタープライズレベルの企業は、レガシーシステムからデジタルトランスフォーメーションへの移行に必死になっていた。そして2020年のCOVID-19パンデミックとそれに続く世界的なロックダウンでは、企業はリモートワークを支援するためのデジタル化を急いだ。特にホームオフィスの運営やワークフロー、コンプライアンスの整備に追われることとなった。

現在、AIの分野でも類似の急成長が見られる。MicrosoftやAppleをはじめとするテック企業が、OpenAIなどのAI関連プロジェクトに数十億ドルを投資しており、AI支配を巡る競争はますます激化している。AI支配の競争がどれほど激しいかを、誰もが十分に理解しているはずだ。それほど変革的なものなのだ。

AIが近い将来、そしておそらく永遠に私たちの生活を根本的に変える技術の進歩であることに疑いの余地はない。実際、すでにその変化は始まっており、続いている。しかし、AIの初期段階では実用的な障害も存在する。

▶ 続きを読む
関連記事
中国による米国債売却は「ドル離れ」を意味しない。真の狙いはドル資産の多様化や対米交渉における揺さぶりの誇示に過ぎず、海外経由の保有や国際的なドル支配の実態を見れば、人民元の台頭論は虚構であると暴く
便利さに流されがちな現代で、私たちはお金を通して何を生かし続けたいのか。人里離れた牧場でレストランを営む著者が、中央集権的な仕組みに対抗し、個人の消費選択が地域や未来を形づくる意義を問いかける論評
1992年米大統領選でブッシュを敗北させた「不況」の虚構を検証し、実態以上に選挙を動かす経済認識の危うさを指摘。現政権下の好景気や課題を踏まえ、来る中間選挙で共和党が勝つための戦略を論じる
米経済指標の好調さとは裏腹に広がる「不況認識」。主要メディアやニュースアグリゲーターの報道バイアスが人々の心理と世論をいかに誘導しているかを検証する論評
米CDCの報告システム「V-safe」に埋もれていた、無数のワクチン被害者の生々しい手記。公衆衛生を信じながら孤立と破壊に追いやられた人々の悲痛な声と、その過酷な現実に直面した筆者の苦悩を綴った論説