日本では、2025年の大阪万博で初めて火星の隕石が展示される予定です。これは隕石のイラストであり、この記事とは関係ありません(Shutterstock)

大阪万博で火星の隕石が初公開へ

日本政府は9月17日に、来年4月から10月にかけて開催される大阪世界博覧会で、南極で発見された火星の隕石を初めて一般に公開することを発表しました。この隕石は、現在知られている中で世界最大の火星隕石の一つです。

 

日本の共同通信社によると、2025年の大阪万博では、国立極地研究所が保管しているこの火星隕石が、初めて一般に展示される予定です。

 

この隕石は2000年に日本の観測隊によって南極で発見され、その後の分析により、火星から地球に飛来したものであることが確認されました。

 

隕石のサイズは長さ29センチメートル、幅22センチメートル、高さ16センチメートル、重さ約13キログラムで、世界最大の火星隕石の一つです。隕石内部のガスの分析から、これは火星由来であり、小惑星が火星の表面に衝突した際に宇宙に飛び出し、その後地球に落下した可能性があることが示されています。

 

この隕石には水と反応して形成された鉱物が含まれており、火星にかつて水が存在した証拠を提供するだけでなく、生命の起源を理解するための重要な手がかりともなります。

 

日本政府は、これが大阪万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に非常に合致していると考え、この隕石とその破片を公開展示することを決定しました。

 

日本の文部科学大臣の盛山正仁氏は記者会見で、この隕石の展示が「観測隊や極地研の活動を知ってもらう良い機会になる」と述べました。

 

読売新聞によると、研究者を含むごく少数の人々しかこの隕石を直接見たことがないそうです。これは、隕石が温度と湿度について、厳しく管理された保管室に保管されている必要があるためです。この保管室の温度は約22度、湿度は50%に保たれています。

 

1970年に大阪で開催された万博では、アポロ11号の宇宙ミッションによって持ち帰られた「月の石」がアメリカ館で展示され、当時大きな話題となりました。日本政府は現在、来年の大阪万博で、その岩石を再展示できるかどうか、アメリカ政府に問い合わせています。

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