ケレス(Ceres)は太陽系にある準惑星の一つであり、火星と木星の間に広がる小惑星帯の中で最も大きな天体です。米国航空宇宙局(NASA)のベテラン科学者であるデイビッド・グリンスプーン氏は最近、この準惑星にはかつて生命を維持できる水が存在し、現在でも内部に液体の水が残っている可能性があると述べました。
この見解は、グリンスプーン氏がYouTubeのWIREDチャンネルで視聴者の質問に答える中で語ったものです。彼はこの番組で、宇宙に地球外生命体が存在すると信じていることも明言しました。
「ケレスはどんな天体なのですか?」という質問に対し、グリンスプーン氏は次のように答えました。ケレスは準惑星であり、小惑星帯の中で最大の天体です。その質量は十分に大きく、重力によって丸く形成されるほどです。
彼はまた「最近、我々はケレスに探査機を送り込み、いくつかの驚くべき発見をしました。最も注目すべきなのは、大きなクレーターに明るい白い部分が見られたことです。それは塩の堆積物であることが分かりました。これは、かつてこの準惑星に水が存在していた証拠です」と語りました。
さらにこう続けました。「このことは、ケレスがかつて水に満ちた世界であり、現在でも内部に液体の水が存在している可能性を示唆しています。これは天体生物学者にとって非常に興味深い発見です。なぜなら、ケレスのような準惑星の内部に、かつて居住可能な環境があったかもしれないからです。誰にも分かりませんが、今でも内部には居住に適した海が存在している可能性すらあるのです」
また彼は、科学者たちは宇宙探査のたびに驚きを感じていると述べました。「太陽系を調査すればするほど、これまで『死んだ世界』だと思っていた天体が、実は活発であることに驚かされるのです」
エポックタイムズのこれまでの報道によると、科学者たちはケレスの存在を長らく知ってはいたものの、2015年にNASAの探査機「ドーン(Dawn)」によって、初めて詳細な観測が可能となりました。
研究者たちは、ケレスの地質構造が非常に興味深いことに驚きました。たとえば、高原、鉱物の堆積、表面の割れ目などがあり、これらすべてがケレスで過去に地震活動や、あるいは海洋の存在があった可能性を示唆しています。
番組内でグリンスプーン氏は「なぜ生命に水が必要なのか」という問いにも答えました。
水は、宇宙に広く存在する液体であり、生命を育むことができる唯一の液体です。生命とは、基本的に有機分子が水の中で溶け合い、複雑に相互作用し、自らを複製するプロセスです。つまり、液体の水がその活動の媒介となるのですと説明しました。
さらに彼は続けました。「水は宇宙で最も普遍的な液体であり、有機体と反応できる性質を持っています。我々は水の代わりにこうした活動を可能にする液体を、いまだに実験室内のどんな化学物質でも再現できません」
また、視聴者からの「エイリアン(地球外生命体)は実在すると思いますか?」という質問に対して、グリンスプーン氏は「私は、エイリアンは実在すると考えています」と答えました。
彼は、銀河系にはおよそ300億個の居住可能な惑星が存在すると説明しました。そのうちのほんのわずかでも生命が誕生していれば、銀河系全体としては膨大な数の生命が存在することになるといいます。
彼は個人的に、宇宙には生命が存在すると信じていると述べつつ、科学としてはまだそれを証明できていないため、現在も科学者たちはその答えを求めて探求を続けているところだと語りました。
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