10月30日、オーストラリア統計局が発表した第3・四半期の消費者物価指数(CPI)は前期比0.2%の上昇で、2021年初め以来の低水準だった。写真は2017年7月、シドニーのショッピングモールで撮影(2024年 ロイター/Steven Saphore)

豪CPI、第3四半期は前年比+2.8%で3年半ぶり低水準 コアはなお粘着的

Stella Qiu

[シドニー 30日 ロイター] – オーストラリア統計局が30日発表した第3・四半期の消費者物価指数(CPI)は前期比0.2%上昇し、予想の0.3%を下回る上昇率となった。政府による電気料金の補助やガソリン価格の下落を受けた。ただ、サービス部門の物価上昇圧力を背景に、コアインフレ率はなお粘着的となった。

前年比では2.8%上昇で、第2・四半期の3.8%上昇から鈍化し、2021年初め以来3年半ぶりの低水準だった。21年後半以降で初めてオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の目標レンジである2─3%以内となった。政府の補助で電気料金が17.3%下落したほか、ガソリン価格が6.2%下落したことも影響した。

統計は全体として強弱入り交じる内容。そのため市場の反応は鈍く、豪ドルは0.1%高の0.6569米ドル、3年債先物は1ティック安の96.06となった。

投資家が見込む今年12月と来年2月の豪利下げ確率はそれぞれ26%と42%に若干低下。市場は依然として、最初の利下げは来年4月が最有力と見ている。

コアインフレ率の指標として注目されるCPIの中銀トリム平均値は前期比0.8%上昇で、予想の0.7%上昇を上回った。前年比上昇率は3.5%で4.0%から鈍化した。

ただ、サービス部門のインフレ率高止まりは引き続き中銀の懸念材料だ。第3・四半期は4.6%と前期の4.5%からやや加速し、ここ1年にわたりほとんど変化していない。

デロイト・アクセス・エコノミクスのパートナー、スティーブン・スミス氏は「今回の指標は、家賃、保険料、医療サービスなど、経済に残る価格圧力が主に供給サイドの問題であることを示している。これらは追加利上げで抑えることはできない」と述べた。

9月のCPI上昇率は前年比2.1%と、21年7月以来の水準に鈍化。トリム平均値も3.2%に低下した。

キャピタル・エコノミクスのオーストラリア・ニュージーランド担当エコノミスト、アビジット・スリャ氏は「第3・四半期のトリム平均値はまだ中銀目標レンジに収まっていないが、近いうちにそうなるとわれわれは考えている。そうなれば来年2月の理事会で利下げを開始する道が開かれるだろう」と語った。

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