キノコは湿気を排出し、免疫力を強化。ピーマンやニラと炒めたり、パクチースープで春の不調をケア(Shutterstock)
体を温める食の知恵

二十四節気の「雨水」到来! 寒さと湿気を和らげる香味野菜の力

立春を過ぎると、二十四節気の「雨水」(2月18日)を迎えます。これは雨が増え、空気が湿りやすくなる時期を意味します。この時期は湿気が多く、まだ寒さも残っていますが、少しずつ春の暖かさも感じられるようになります。しかし、寒さと湿気の影響で胃腸の調子が乱れやすく、体のエネルギー(陽気)の巡りが滞ることがあります。その結果、さまざまな体調不良が起こりやすくなるため、胃腸を整え、体内の余分な湿気や冷えを取り除き、エネルギーの流れをスムーズにすることが大切です。

湿気が多いと、胃腸の働きが低下し、消化がスムーズにいかなくなります。よくある症状として、食欲不振、胃もたれ、お腹の張り、下痢や便秘などがあります。

また、東洋医学では、胃腸(消化を司る)と腎臓(水分代謝を司る)はバランスを取り合う関係にあるといいます。そのため、胃腸の働きが弱まると、腎臓の水分代謝も悪くなり、むくみや体重増加、貧血や冷えが起こりやすくなります。

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立冬は肺が弱まり腎が冷えやすい季節。今年は金気が不足し肺の働きが乱れやすいため、五臓の調和が重要です。白菜や豚肉を使った温かい料理で脾と腎を温め、気血の巡りを整えましょう。
秋冬は湿気と乾燥が重なり、脾胃と肺が弱りやすく便秘が増える季節。セロリは気の巡りを促し、エリンギは腸を潤し、牛肉は胃腸を温める食材。三つを組み合わせることで、気血が整い、自然な排便リズムが戻ります。
シソは胃腸を整え、体を温め、風邪や寒さから身を守る力を高めます。特に朝に食べると、体の陽気が自然に立ち上がり、秋冬の風邪予防に効果的。朝食に取り入れたい伝統の養生法です。
中医学の養生は、体を自然界のように調和させる「気候調整」の学問。五行の働きが乱れると病が生じ、整えば健康が戻る。季節と連動した「人体の気候」を理解することで、日々の食と生活に新たな視点が生まれます。