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炎症対策の最強食材

炎症を抑える9つのスーパーフード 関節の健康をサポートする食材

関節リウマチは「不死のがん」とも呼ばれ、関節の変形や痛みを引き起こすだけでなく、さまざまな深刻な合併症を伴うことがあります。骨粗しょう症や骨折のリスクが高まり、さらに脳卒中や心筋梗塞の危険性も増すとされています。食事だけで関節リウマチを治すことはできませんが、適切な食事を取ることで炎症を抑え、必要な栄養を補い、健康的な体重を維持するのに役立ちます。

食生活を適切に管理しないと、炎症が悪化し、症状が進行する可能性があります。特に過体重は、痛みを感じる関節への負担を増やし、一部の薬の効果を弱める原因にもなります。さらに、余分な体脂肪は「サイトカイン」と呼ばれる炎症を促進するタンパク質を生成し、病気のコントロールを難しくしてしまいます。専門家の間では、野菜や果物、全粒穀物、良質な脂肪をバランスよく取り入れた「地中海式食事法」が、関節リウマチの管理に適していると考えられています。アメリカの関節炎財団(Arthritis Foundation)は、関節リウマチの患者に適した「抗炎症スーパーフード」を推奨しています。以下にその一部を紹介します。

関節リウマチにおすすめの9つのスーパーフード

1. 魚類

オメガ3脂肪酸を多く含む魚は、炎症の抑制に役立ちます。サケ、マグロ、サバ、ニシンなどが特におすすめで、週に2回、約85〜115グラムを目安に摂取するとよいでしょう。

また、オメガ3とオメガ6脂肪酸のバランスを保つことも大切です。オメガ6が多すぎると炎症を引き起こしやすくなるため、肉類や一部の植物油(特に揚げ物や加工食品に使われる油)の摂取を控えめにすることが推奨されます。

魚が苦手な場合は、大豆製品(豆腐や枝豆など)で代用できます。大豆は脂肪が少なく、タンパク質や食物繊維が豊富で、心臓にも良い食品です。

サケはオメガ3脂肪酸が豊富(Shutterstock)

 

2. 果物と野菜

果物や野菜には、抗酸化作用のあるビタミンやミネラル、ポリフェノールが含まれており、炎症を引き起こす活性酸素を抑える働きがあります。毎日数種類の新鮮または冷凍の果物を食べるのが理想的ですが、冷凍食品の糖分には注意が必要です。

特に関節の健康に良いとされる果物・野菜:

さくらんぼ:赤紫色の色素「アントシアニン」には抗炎症作用があり、いちご、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーなどのベリー類にも含まれています。

ブロッコリー:ビタミンK・ビタミンCが豊富で、「スルフォラファン」という成分が骨の老化を遅らせる働きを持ちます。また、骨を強くするカルシウムも含まれています。

柑橘類(オレンジ、グレープフルーツ、ライムなど):ビタミンCが豊富で、炎症性関節炎の予防や、変形性関節症の進行を抑える効果が期待されています。

ブロッコリーは変形性関節症の進行を予防したり遅らせたりする可能性がある(Shutterstock)

 

3. 全粒穀物

オートミール、全粒小麦、玄米、キヌアなどの全粒穀物は、炎症を抑え、心臓病のリスクを下げる効果があるとされています。関節リウマチの患者は心臓病のリスクが高いため、これらの食品を積極的に取り入れると良いでしょう。
 

4. 豆類

関節リウマチの患者は筋肉量が減少しやすいため、良質なタンパク質源である豆類は特におすすめです。豆類は脂肪が少なく、抗酸化作用のある成分を含み、さらに葉酸、マグネシウム、鉄、亜鉛、カリウムなどの栄養素が豊富で、心臓や免疫機能のサポートにも役立ちます。黒豆、ひよこ豆、金時豆などが特におすすめです。
 

5. ナッツ類

ナッツには、心臓の健康を保つ不飽和脂肪酸が含まれています。また、タンパク質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンE、α-リノレン酸(ALA)などの栄養素が豊富で、免疫力向上や満腹感の持続にも役立ちます。

くるみはオメガ3脂肪酸が豊富で、関節リウマチの患者に特に良いとされています。アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、松の実もおすすめです。すりつぶした亜麻仁(フラックスシード)は、植物由来のオメガ3脂肪酸を多く含んでいます。ただし、ナッツ類はカロリーが高いため、食べ過ぎには注意しましょう。 

クルミにはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、関節リウマチの患者に特に有益(Shutterstock)

 

6. オリーブオイル

オリーブオイルには、「オレオカンタール」という成分が含まれており、抗炎症作用が期待できます。この成分は、痛みを和らげる働きがあるとされており、一部の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に似た作用を持つといわれています。

クルミオイルは、オメガ3脂肪酸の含有量がオリーブオイルの約10倍とされ、代用としても優れた選択肢です。ただし、すべての油はカロリーが高いため、適量を心がけましょう。
 

7. 乳製品

低脂肪の牛乳、ヨーグルト、チーズには、カルシウムとビタミンDが豊富に含まれており、骨の健康を維持するのに役立ちます。特にビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、免疫機能を調整する働きがあります。乳製品が苦手な場合は、小松菜やケールなどのカルシウムやビタミンDが豊富な野菜を取り入れましょう。
 

8. 緑茶

緑茶に含まれるポリフェノールには抗炎症作用があり、関節の軟骨を保護する効果が期待されています。また、「EGCG(エピガロカテキンガレート)」という抗酸化物質が、関節リウマチの進行を抑える可能性があることが研究で示されています。

緑茶は体の表面を冷やし、気血の強い人が蚊に刺されないようにするのに役立ちます。 (シャッターストック)
緑茶にはポリフェノールが豊富に含まれており、炎症を軽減し、軟骨の破壊を遅らせる可能性がある(Shutterstock)

 

9. にんにく

にんにく、玉ねぎ、ニラなどのネギ類をよく食べる人は、関節症状が少ない傾向にあることが研究で示されています。にんにくに含まれる「ジアリルジスルフィド」という成分は、関節リウマチの進行を抑える働きがあるとされています。炒め物やスープに加えるだけでなく、生で食べることで有効成分をより多く摂取できます。

 

(翻訳編集 華山律)

李梅