甘草とレモンの組み合わせは、肝の血を補い、体を内外から調和させる中医学の理論に基づいた健康法です(Shutterstock)

甘草レモン茶レシピで胃腸すっきり、肝脾元気

甘草(リコリス)とレモンの組み合わせ

中医学では、薬の性質(陰陽と五味の属性や効果)や、それがどの臓器に影響を与えるかを理解することが大切です。甘草とレモンを組み合わせることで、肝の血を補い、「甘酸化陰(甘味と酸味が合わさることで、陰血を生み出す働きがある)」という理論を活かしています。この組み合わせは、体を内外から調和させる作用があります。ここでは、その特徴について説明します。

1. 成分の説明

(1)甘草

  • 性質: 甘味があり、穏やかで体に優しく作用する
  • 作用:
    • 気を補って、脾を元気にする
    • 肺を潤し、咳を止める
    • 体の熱を冷まし、毒を解消する
    • 他の生薬の効果を調整する(生薬同士がうまく作用し合い、互いの効果を打ち消さないようにする)

(2)レモン

  • 性質: 酸味があり、乾燥して熱を帯びた気血を冷ます作用がある
  • 作用:
    • 口の渇きを癒す
    • 肝を整えて、気の流れをスムーズにし、心と体をリラックスさせる
    • 食欲を増やして、胃腸を元気にする
    • 体の熱を冷まし、余分な水分を取り除く

2. 甘草とレモンの組み合わせの特徴

  • 甘草の穏やかな性質が、レモンの冷たい性質を和らげて、脾胃を守りつつ、体のバランスを取ります。
  • 甘草の甘さは血を補い、レモンの酸っぱさは肝の火を静め、肝気を調整します。これにより、肝が脾を傷つけるのを防ぎ、消化を助けます。さらに、肺の働きを良くし、食欲を増進させます。
  • 甘草は心と肺に作用し、レモンは肝に作用します。これにより、肝の気がスムーズになり、体全体が清々しくなります。

3. 期待できる効果

脾胃を元気にする:

  • 脾胃を補い、消化を助ける
  • 食欲を増して、胃腸の働きを活発にする

肝を整えて、気の流れをスムーズにする

  • ストレスを解消して、気持ちを落ち着かせる
  • 体内の気の流れを良くし、心のバランスを取る

4. こんな方におすすめ

  • 脾胃が弱っている
  • 肝の調子が悪い、ストレスが溜まっている
  • 気分が落ち込んでいる
  • 食欲がない

5. 使用方法

  • 使用量
    • 甘草: 3g
    • レモン: 1/4個
    • 温かいお湯で抽出してお召し上がりください。
  • 注意点
    • 胃酸が多い方は控えめにしてください。
    • 妊娠中の方は使用を避けてください。
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