デフォルト危機に直面している中国最大の不動産デベロッパー「碧桂園」のロゴ。(STR/AFP via Getty Images)

中国の不動産大手碧桂園 債務1.3兆円超で経営窮地 販売も低迷

中国の不動産大手・碧桂園(カントリーガーデン)は、深刻な経営難に直面している。最新の販売データによると業績の悪化が一段と進んでおり、総債務が約1.3兆円に上る中で資金繰りも厳しさを増している。

同社は6月6日、2025年5月の権益販売額が30.9億元、販売面積は34万平方メートルだったと発表した。今年1~5月の累計権益販売額は139.4億元(約2927億円)で、前年同期の216.5億元(約4547億円)から35.6%の減少となった。累計販売面積は169.9万平方メートル。不動産市場の低迷を背景に、同社の販売成績も大きく落ち込んでおり、業界全体の苦境を浮き彫りにしている。

6月5日の株主総会では、常務副総裁の程光煜氏が「市場環境に応じて柔軟に販売戦略を調整する」と述べ、2025年通年の権益販売目標を300~400億元(約6300億~8400億円)に設定した。これは過去に比べて大幅な下方修正であり、同社の慎重な経営姿勢がうかがえる。

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