台湾の蕭美琴副総統は、2024年7月30日に台北で開かれた対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)の会合で演説した(SAM YEH/AFP via Getty Images)

台湾副総統襲撃未遂事件 中国共産党外交官が黒幕 チェコで明るみに出た国際脅迫の実態

2024年3月、驚くべき国際事件が明るみに出た。台湾副総統・蕭美琴(しょう びきん)氏がチェコ訪問中に、襲撃未遂事件が発生した。2025年6月、チェコ当局は、これまでの捜査結果として、中国共産党の外交官が黒幕であると断定し、国際社会に衝撃が広がった。

台湾の副総統・蕭美琴氏は昨年、副総統選に勝利した後、就任前の2024年3月18日にチェコを訪問した。その滞在中、謎の乗用車が彼女を執拗に追跡し、交通事故を誘発しかねない危険な状況を作り出した。この事件は一年以上も不透明なまま放置されていたが、2025年6月26日、チェコの報道機関「iROZHLAS」がついに事件の全容を暴いた。追跡車両の運転者は、中国共産党が駐チェコ大使館に派遣した軍事部門所属の外交官であった。

チェコ軍事情報局のバルトフスキー局長は、この事案を単なる偶発的な事故とは認めず、中国共産党が周到に準備した情報工作の一環として実行した嫌がらせおよび脅迫行為と断定した。チェコの情報当局が掌握した情報によれば、中国共産党は蕭美琴氏の全行程を追跡し、意図的な危険運転を通じて、精神的圧力と身体的な危害を加える計画を進めていた。

▶ 続きを読む
関連記事
台湾のSNSで、大紀元や法輪功への過去の不信を改め「謝罪しよう」と呼びかける動きが広がっている。中国で新たな事実が相次ぎ浮上し、認識を変えた利用者が増えているためだ。
青森地震の揺れの中、台湾の旅行者が倒れそうなテレビをそっと守った姿に「優しい」「落ち着いている」と反響。混乱の中で見せた小さな優しさが心にしみる。
香港の高層住宅団地宏福苑で発生した大規模火災をめぐり、当局は死者159人と発表。しかし、遺族や市民の間では「実際の死者数や行方不明者はこれを大きく上回る」との声が広がっている。
選挙前日の6日、中国共産党政権の出先機関である「中央政府駐香港連絡弁公室」は、一部の海外メディア関係者を呼び出し、香港の法律を順守し「レッドライン」に触れるような報道を避けるよう圧力をかけた。
香港の大火災を悼む掲示が大学で封鎖され、学生会は事実上の解散扱いに。追悼すら囲われる沈黙の圧力が、いま大学キャンパスにも広がっている。