中共軍機6日間姿見せず 背景に両会と軍粛清か

2026/03/06 更新: 2026/03/06

中東情勢の緊迫化が続く中、台湾海峡の情勢にも関心が集まっている。3月初め、台湾海峡周辺の空域は異例の静けさを見せている。これまで連日のように台湾周辺に接近していた中国共産党(中共)軍機が、すでに6日連続で姿を見せていないためだ。そのタイミングは、アメリカがイランに軍事行動を展開する時期と重なっている。ただし、学者は、中共軍機が現れない主な理由は、この数日に開催される中共の「両会」と、軍内部の粛清にあるとの見方を示し、台湾は引き続き警戒を高める必要があると指摘している。

中共軍機による台湾周辺への接近記録は、2月27日6時を最後に止まっている。すでに6日連続で台湾海峡周辺の空域では中共軍機の侵入が確認されていない。直近では、2日前に高高度気球が確認されたのみである。この空白期間は、アメリカとイスラエルがイランに対する共同軍事行動を開始した時期と重なっており、さまざまな憶測を呼んでいる。

台湾国防安全研究院国防戦略研究所の蘇紫雲所長は「中共の軍機は2月27日以降、5日連続で台湾周辺の空域への嫌がらせ飛行を行っていない。主な理由は政治的なものだ。台湾は依然として警戒を強める必要がある」と述べた。

その上で「戦争の影響で石油供給が不足しているという説もあるが、それはやや無理のある見方だ。客観的に言えば、中共は1日に約1600万バレルの原油を消費している。台湾周辺に飛来する戦闘機の数は1日あたり一桁、あるいは二桁程度で、消費する燃料は限定的だ」と説明した。

台湾メディアによると、中華民国国防部は「敵を過小評価せず、あらゆる可能性を考慮する」という原則に基づき、単一の指標だけで情勢を判断することはないとしている。

一方、専門家は、中共海軍艦艇による接近活動は依然として続いており、中共が台湾の主権を否定する姿勢は変わっていないと指摘する。軍用機の活動が急減している背景としては、中共の「両会(全国人民代表大会と人民政治協商会議全国委員会会議)」開催や軍内部の粛清により指揮体制の再編が進み、軍全体の戦備状態に支障が出ている可能性があると見られている。

蘇紫雲氏は「最も大きいのは政治的理由だ。主に両会の開催と、台湾で国防予算の審議が行われていることが背景にある。こうした状況下で、中共は意図的に分野横断的な統一戦線工作の手法を組み合わせている。台湾周辺への軍機侵入を減らし、あるいは一時的に停止することで、台湾は国防予算を必要としていないかのような錯覚を植え付けようとしている」と指摘した。

また、台湾与党・民進党の林俊憲立法委員は、イラン情勢の急速な変化により、中共が「戦略的縮小」を余儀なくされ、対米対抗の構図を全面的に再調整している可能性があると分析した。その結果、台湾への圧力のかけ方も再評価が必要になっているという。

さらに一部の海外メディアは、中共がトランプ氏と習近平の会談を前に、平和的な印象を演出することで、トランプ氏に台湾への武器売却を停止させる狙いがあるのではないかと指摘している。

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