2025年6月下旬、上海市の裁判所で、陳情民の秦義栄氏が傍聴を妨げる公安と裁判所職員に抗議する様子(本紙取材協力者提供/大紀元合成)
「公開裁判なのに、なぜ入れない?」

中国の「公開裁判」は名ばかり

6月下旬、上海市内で、政府による不当な扱いを訴える市民(陳情民)による裁判が相次いで開かれた。しかし「公開裁判」とされながらも、傍聴を希望して集まった多くの市民は裁判所の門前で締め出され、現場には、大勢の公安が傍聴希望者を監視するという異様な光景が広がった。

憲法で保障されているはずの公開裁判の原則は、実際には形骸化し、集まった市民たちの間に強い不信と怒りが広がった。

特に注目を集めたのは、秦義栄(しん・ぎえい、女性)氏の健康被害に関する民事裁判である。2003年に、秦氏は自宅を不法に取り壊され、当時の裁判官・劉亮(りゅう・りょう)によって、不当判決を受けたが、控訴の末に逆転勝訴した。しかし、それ以降、劉亮から報復として暴行や嫌がらせを繰り返し受けてきたと訴えた。頭部を殴られて縫合、歯を折られ、流産、視力障害、夫の死に至るまでの深刻な被害を受けたが、劉亮は現在に至るまで一切の責任を問われなかった。

▶ 続きを読む
関連記事
中国の企業・政府・家計の債務残高が、2025年末にGDPの約3倍に達した。政府の利払い費は財政収入を上回るペースで増加。不動産不況による地方財源の縮小や過剰投資も重なり、景気を下支えする政策の余地が狭まっている
中共は、党員数が1億人を超えていると称しているが、過去数十年間、国内での人の移動や出国、人々の意識の変化などを背景に、党員は党組織から徐々に離れるようになった。党が最も恐れているのは、公に離党を表明され、不利な政治的影響が生じることだという
中国銀行業は利益減少と不良債権増加が同時進行し、利ざやは警戒水準を下回った。表面上は安定を装うが、地方債務や不動産問題など簿外リスクが拡大。外資の撤退も進み、構造的な脆弱性が鮮明になっている
4月の対中直接投資は前年比26.1%減。債券売却やデータ規制強化を背景に外資撤退が進行し、景気減速も鮮明に
4月8日、習近平は中国国防大学で行われた全軍高級幹部向け研修の開講式に出席したが、出席した上将はわずか3人だった。国防大学学長の肖天亮上将は姿を見せていなかった