サーモン（鮭）と鶏肉は、日常の食生活においてたんぱく質を摂るための代表的な食材であり、多くの家庭でよく食べられています。では、この二つの肉類にはどんな栄養的な違いがあり、どちらがより健康的なのでしょうか？

管理栄養士で「Today.com」の栄養編集者でもあるナタリー・リゾ氏は、たんぱく質の含有量について、「サーモンも鶏肉もほぼ同じ」だと話しています。彼女によると、サーモンでも鶏胸肉でも、また鶏のもも肉のような部位でも、一食あたり約20gのたんぱく質を摂取できるとのことです。

彼女は、「主な違いは脂肪の部分にある」と説明します。

リゾ氏によれば、サーモンの脂肪量は鶏胸肉より多いものの、「それは良質な脂肪です」「不飽和脂肪を含んでいる」とのことです。

さらに彼女は、実際にサーモンには海産物にしか含まれない良質な脂肪酸が含まれていると補足しています。

「Today.com」の記事では、高たんぱく質の食品が身体に適しているかどうかは、個々の健康目標や味の好みによるとしながらも、サーモンと鶏肉にはそれぞれ特有の栄養的利点があるため、選ぶ際に考慮する価値があるとしています。
 

サーモンの栄養

約85gの新鮮な天然紅鮭をグリル調理した場合、約133キロカロリー、たんぱく質23g、脂肪5gを含みます。サーモンの種類によって栄養成分には多少の違いがあります。

天然のサーモンは、養殖サーモンよりもたんぱく質とオメガ3脂肪酸の含有量がやや高くなっています。そのため、専門家は可能であれば天然サーモンを摂取することを勧めています。

市場でよく見かける天然紅鮭と天然キングサーモンは、栄養価が特に高いとされています。一方で、養殖された大西洋サーモンにはオメガ3脂肪酸、たんぱく質、その他の健康成分が若干少ないことが研究で示されています。又、天然の太平洋産ピンクサーモンは、養殖・天然問わず他の品種に比べてこれらの栄養成分が少なめです。

アメリカで流通している大西洋サーモンはすべて養殖ですが、太平洋サーモンは一般的に天然ものです。太平洋サーモンには、紅鮭、ピンクサーモン、銀鮭、キングサーモン（チヌークサーモン）などの人気品種が含まれます。

鶏肉の栄養

約87gの皮なし骨なし鶏むね肉をローストした場合、約126キロカロリー、たんぱく質25g、脂肪3gが含まれます。

鶏むね肉は脂肪が少なく、効率よくたんぱく質を摂取できる動物性たんぱく源です。鶏のもも肉のような深色肉もたんぱく質が豊富ですが、カロリーと脂肪がむね肉より多く、脂肪によって肉質がよりジューシーで風味も濃くなります。

約87gのローストした鶏もも肉には、約152キロカロリー、たんぱく質21g、脂肪7gが含まれます。

登録栄養士のグレース・デロチャ氏は以前「Today.com」で、白身肉と深色肉の間には違いがあるものの、「人々が思っているほど大きな差ではない」と話しています。

「深色肉は不健康で、白身肉は良いという印象を持たれがちですが、栄養成分としては実は非常に似ているのです」とデロチャ氏は語りました。

サーモンと鶏肉に含まれるたんぱく質と脂肪の比較

サーモンと鶏肉は、たんぱく質の含有量に大きな差はなく、いずれも優れた供給源です。

約85gのサーモンには約23gのたんぱく質が含まれ、同量の鶏むね肉と鶏もも肉にはそれぞれ25gと21gのたんぱく質が含まれています。

脂肪は、人体が正常に機能するために必要なもう一つの主要な栄養素です。ただし、脂肪にはさまざまな種類があり、脂肪分の多い食品の中には、他の食品よりも健康に良いとされるものもあります。

専門家の間では、脂肪の摂取は避けるべきという意見が一致していますが、特に飽和脂肪については注意が必要です。登録栄養士のフランシス・ラグマン＝ロス氏は、「Today.com」において、飽和脂肪を過剰に摂取するとコレステロール値が変化し、心臓病のリスクが高まると指摘しています。

一方、不飽和脂肪、すなわち一価不飽和脂肪と多価不飽和脂肪は、より健康に良いとされています。一価不飽和脂肪は地中海食の重要な要素で、体内のコレステロールに良い影響を与えるとされています。

多価不飽和脂肪には、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が含まれており、心臓や脳の健康を支える役割を果たします。

アメリカ心臓協会は、週に少なくとも2回、不飽和脂肪を多く含む魚を食べることを推奨しています。魚はすべて、優れたたんぱく質、ビタミン、ミネラルの供給源であり、特に脂肪分の多い魚はオメガ3脂肪酸を多く含みます。魚に含まれるオメガ3や他の栄養素は心臓の健康を改善し、心臓病による死亡リスクを下げる効果もあります。

アメリカ農務省の食品データによると、数ある選択肢の中で、鶏むね肉が最も脂肪が少なく、脂肪はわずか3gで、そのうち飽和脂肪は1g未満です。一方、サーモンと鶏もも肉の脂肪量はやや多く、それぞれ1食あたり5gと7gとなっています。

（翻訳編集　華山律）