台湾外交部長が来日 中国外務省が日本政府に抗議 林官房長官「政府としてコメントせず」
台湾の林佳龍外交部長(外相に相当)が7月25日までに日本を訪れ、超党派の国会議員連盟「日華議員懇談会」会長の古屋圭司衆院議員や自民党の高市早苗前経済安全保障担当相らと会談したことが分かった。日本と公式外交関係を持たない台湾の現役外交部長が訪日し、国会議員と直接面会するのはきわめて珍しい例とされる。
林外交部長の訪日は、大阪・関西万博視察や台北駐日経済文化代表処(台湾の大使館に相当)の訪問など、私的な目的が中心だったとされる。林氏は古屋氏や高市氏らと意見交換を行い、その様子は古屋会長のSNSでも写真付きで公開された。台湾外交部は林氏の日本訪問を認めたが、あくまで「私的なもの」と説明している。
これに対し、中国外務省の劉勁松アジア局長は7月25日、北京にある日本大使館の横地晃次席公使に電話し、「台湾問題は中国の核心的利益中の核心だ」と述べ、日本側が林氏を私人の立場で受け入れたことについて「反中分裂活動に舞台を提供した」などとして、日本政府に対し強く抗議した。また、中国大使館も日本外務省に同様の抗議を行った。日本大使館は中国側から抗議を受けた事実を認め、日本の台湾に関する一貫した立場を説明したと明らかにしている。
関連記事
茂木外相は12/16の会見で、中国人向けビザ緩和措置について「諸情勢を見極め慎重に検討」と繰り返し、具体的な実施時期を明言しなかった。一方で、日中間の人的交流の重要性は「極めて重要」だと強調した
中国は国連安保理で日本の台湾有事発言を批判し撤回を要求。日本は「根拠がない」と即反論、木原官房長官は国際社会に対し、冷静かつ毅然とした外交努力を続ける方針を示した
上野動物園のパンダ2頭返還により、国内飼育が半世紀ぶりにゼロとなる。木原官房長官は、日中関係に貢献してきたパンダへの自治体からの貸与希望を踏まえ、今後の進展に期待を示した
高市首相がフォーブス誌の「世界で最もパワフルな女性」に選ばれたことを機に、グラス米大使がXで祝意を表明。高市首相は「日米は、世界で最もパワフルな同盟」と応じ強固な同盟を再確認した
中国共産党政権が日本に対して軍事的・経済的圧力を強めている背景には、国内の不安定化と社会不安の深刻化を覆い隠す狙いがあるとみられている