(Shutterstock)

立秋を迎えたら、まず食べたいのは「さんま」―― 肺を潤し、胃腸も整える秋の味覚

8月7日は立秋。暦の上では秋が始まり、健康管理のポイントも「肺をいたわる」ことにシフトしていきます。今回は、秋の訪れとともに食べたい「さんま」の養生効果についてご紹介します。

まだまだ暑さの残るこの時期ですが、口やのど、鼻が乾いたり、便秘がちになったり、夜寝苦しくて何度も目が覚めてしまうことはありませんか? また、胸がつかえるような、浅い呼吸になる人も増えてきます。

これは中医学でいう「汗多くして津(しん)を傷り、暑退いて燥起こり、肺これを先に受く」の状態です。

夏の間に汗をかきすぎて体の潤いが不足したところへ、秋の乾燥した空気がやってきて、真っ先にダメージを受けるのが「肺」。肺は五行では「金」に属し、外の空気ともっとも密接に関わる臓器です。空気の乾燥がダイレクトに影響しやすく、呼吸器や皮膚のトラブル、便秘、のどの渇きといった症状として現れます。

ですから、大暑を過ぎたこのタイミングで大切なのは、肺を潤し、体内の潤いを保つこと。そして、冷たいものの取りすぎで弱ってしまった胃腸をやさしく整えることも重要です。

そのような時に、ちょうど自然の流れに合わせて店頭に並び始めるのが「秋刀魚(さんま)」です。

秋の味覚、秋刀魚(さんま)(Shutterstock)

銀白に輝くさんまは、まさに刀のような姿で、五行では「金」に属し、肺と同じ「白金」の性質を持つとされています。中医学では、白くて甘みのある食材は肺に入りやすく、肺を潤してのどの渇きをいやし、気を補い、体に潤いをもたらすと言われています。

まさに、秋のはじまりに自然が与えてくれた恵みの魚です。

このあとご紹介するのは、さんまを使って家庭で手軽に作れる養生料理です。旬の味を取り入れて、秋の体調管理に役立ててみませんか?

 

さんまの味噌煮込み鍋

さんまの味噌煮込み鍋 イメージ図

材料(2〜3人分)

・さんま(内臓を取り、ぶつ切り)…2尾

・玉ねぎ(薄切り)…1/2個

・まいたけ または しめじ…1/2パック(小房に分ける)

・絹ごし豆腐…1/2丁(厚めに切る)

・小松菜 または 青菜…少々(最後に加える)

・水…150ml

・味噌…小さじ1.5

・日本酒…大さじ1

・みりん…小さじ1

作り方

  1. 鍋に水、味噌、日本酒、みりんを入れてよく混ぜ、中火で加熱する。
  2. 沸騰したら玉ねぎときのこを加え、ひと煮立ちさせる。
  3. さんまと豆腐を加え、ふたをして弱火で8〜10分煮込む。
  4. 最後に小松菜を加え、さらに1分ほど火を通したら完成。

この鍋料理は、素材の組み合わせにも工夫があります。

  • さんま:肺を潤し、体に潤いと元気を与えてくれる魚。体をやさしく温める性質があり、夏の間に冷たいものをとりすぎて弱った胃腸の回復にもぴったりです。

     
  • 玉ねぎ:気の巡りを良くして、息苦しさやお腹の張りを和らげ、食欲を助けるだけでなく、リラックス効果で眠りもサポートしてくれます。

     
  • きのこ類と豆腐:どちらも潤いを補いながらも胃腸にやさしく、余計な湿気をため込みにくいのが特長です。

     
  • 小松菜:体の熱をやわらげながら心と血管を守り、鉄分やカルシウムの補給にも役立ちます。

体の内側が整えば、自然と不調は消えていきます。秋のはじまりに、ほっと温まる一鍋で、ゆるやかに体調をととのえてみませんか?

関連記事
えのきは肺を潤し、鮭は脾と腎を補う。きのこで腸を整え、体の土台を支える冬の免疫養生レシピを紹介します。
小寒の初候は、陰が極まり陽が動き始める節目。五日で巡る五行の流れを読み、旬のセリで肝と脾を整えることで、春に向けた体づくりが静かに始まります。
冬は体がエネルギーを蓄える季節。肉を食べすぎて胃腸が疲れやすい今、酸味と甘味で肝と胃腸を整える「酢豚」が、消化不良やだるさの予防に役立ちます。
焼きみかんは、果肉の潤いと皮の温める力を合わせ、肺をやさしく整える伝統の食養生。のどの乾きや痰、長引く咳を和らげ、冬の体調管理に役立ちます。
骨の強さは腎の精気から生まれる。冬は腎を養う最適な季節。卵・えび・干し椎茸を使った茶碗蒸しで、脾・肺・腎を同時に整え、骨髄から骨を強くする。