客に割られ食べ尽くされたドリアンの皮が山積みになった新規開店のスーパーの売り場。中国・山西省汾陽市、2025年8月21日。(SNS映像より)
経済不安とモラル崩壊が生む「群衆略奪」の連鎖

中国のスーパーと畑で略奪行為 経済失速で崩れる秩序と倫理「スーパーマーケットで消えたドリアン60箱」

経済の失速と不安な心理が渦巻く中国社会で、スーパーや畑に「群がる」人々の姿が近年、増えている。

最近、山西省汾陽(ふんよう)市で行われた新規スーパーの開業イベントが、思わぬ「修羅場」と化した。特価で販売されたドリアンを客が次々に割ってその場で食べ始め、わずか1日で約60箱が消えたのである。残されたのは無数の殻と、途方に暮れる経営者の姿だった。

8月21日、スーパー「発到家」が用意したのは、1個9.9元(約220円)の格安ドリアンだった。だが、混雑に乗じて未会計のまま食べる客が相次ぎ、高級フルーツまでもが「ひとかじり」されて棚に捨てられる始末。店側は人員不足で制止できず、経営者は「約60箱のドリアンが食べ尽くされた」と打ち明けた。ネットでは「恥知らず」「子供が真似する」「モラル低下もいいところ!未会計で食べるなんて信じられない」といった声が相次ぎ、映像は多くの人々に衝撃を与えた。

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