習近平を連想させるとして一時回収された『崇禎伝』が、中国のネット書店で再び販売されている。(スクリーンショット)
習近平政権の不安定さを露呈?

習近平を連想させる禁書『崇禎伝』 中国で復活販売

かつて習近平を連想させるとして販売禁止になった歴史書が、中国でひそかに復活した。

問題の書籍『崇禎伝』は、中国・明の末期(17世紀前半)の「勤勉すぎて国を滅ぼした皇帝、崇禎帝(すうていてい)」を描いたもの。2016年に出版された『崇禎往事』の改訂版で、タイトルを「勤政的亡国君(勤勉すぎて国を滅ぼした君主)」と強調したところ、発売直後に「印刷上の問題」という名目で全国一斉回収となった。表紙には「愚策に次ぐ愚策。勤勉であればあるほど国は滅びる」とのコピー。誰を指すのか、あえて説明する必要はないだろう。

崇禎帝は宦官(去勢された宮廷役人)を排除し倹約に努めたが、猜疑心から忠臣を失い、最後は首を吊り、孤独な最期を迎えた。残ったのは無能な取り巻きばかり。380年前の史実が、どういうわけか現代の中国人の目には「そっくりそのまま習近平に重なる」と映ってしまうのだから厄介である。

▶ 続きを読む
関連記事
中国の鉄鋼業は不動産不況やインフラ投資減速により縮小傾向。2025年までに鉄鋼輸出が5割減少すると指摘している
小野田紀美科学技術相は5日の記者会見で、南鳥島沖で進められる国産レアアース採掘に向けた深海試験について、「我が国の経済安全保障上、極めて重要な取り組みだ」と述べ、研究開発への期待を示した。
中共外交部の報道官が数日間にわたり、サンフランシスコ平和条約(1951年)の合法性を否定し、国際法上の効力を持つのはカイロ宣言とポツダム宣言であると強調したことが、国際社会や法学界で議論を呼んでいる。日中間で「台湾有事」をめぐる外交的緊張が高まるなか、事態は新たな局面に入った
中国河南省で転落事故後に死亡した14歳少年の臓器提供を巡り、母親が「手はまだ温かかった」と疑念を示した。死亡判定や手続きの透明性にネット上で関心が高まり、事例は国内で波紋を広げている。
白タク急増で10時間走っても赤字? 中国・東北でタクシーが一斉スト。追い詰められた運転手たちの町で何が起きているのか