秋の終わりの「土用」食養生法― 冷えと湿気を取り、胃腸を整え、肺を元気に
霜降が過ぎると、空気が冷たくなり、湿気も増えてきます。季節の変わり目である秋の終わりの「土用」の時期は、とくに肺と胃腸(脾)が弱りやすい時期です。
肺は呼吸や体のエネルギーをつかさどりますが、冷えを嫌います。胃腸は食べ物を消化して栄養に変える働きを持ちますが、湿気に弱いです。冷えと湿気が重なると、胸の重苦しさや咳、痰、食欲不振、体のだるさなどが起こりやすくなります。
昔の人たちは、自然の変化と体の反応をよく観察していました。そして季節が入れ替わる前の18日間は「土の気」が強くなり、湿気が胃腸を傷めやすいことを知っていました。そのため、この時期に体を整えるための食事や生活法が生まれ、「土用の養生」という考え方ができたのです。
関連記事
『黄帝内経』は難解な理論ではなく 自然と身体を同じ流れで見る視点の書。春のエネルギーの動きを例に 古典の考え方をやさしく読み解く入門的解説。
立春のころは気が動き出す一方、体が追いつかず不調を感じやすい時季。ねぎま鍋は巡りを助けながら内側を養い、陽気がのびる流れをやさしく支えます。
真冬の強い冷えは心の働きを弱め、動悸や不安感を招くことがあります。さつまいも・生姜・黒糖を組み合わせたおかゆで、体を温め血を養う養生法を紹介します。
柚子皮の香りは気を巡らせ、果肉は潤し、はちみつはやさしくまとめる。はちみつ柚子茶にひそむ陰陽の調和と、心を整える食養の知恵を解説します。
冬は腎を中心に、体の土台を静かに整える季節と考えられています。黒豆を軸に五穀を組み合わせることで、五臓の巡りを穏やかに支える食養生の知恵を紹介します。