40秒に1人が脳卒中 その8割は回避可能
アメリカでは、40秒に1人が脳卒中を発症しています。遠い話のように感じるかもしれませんが、これはアメリカで第5位の死因であり、長期的な障害の最大の原因でもあります。脳卒中は突然起こる急性疾患であると同時に、後遺症が残りやすく再発の危険も高いため、「慢性的な病」ともいえます。
しかし朗報もあります。脳卒中によって一度損傷した脳の細胞は元に戻りませんが、早期に適切な治療を受ければ、症状の進行を抑えたり、機能を回復させたりすることは可能です。そして何より重要なのは、脳卒中の多くが予防できるという事実です。実際、発症の8割以上は防ぐことができるのです。では、脳卒中という「脳の危機」をどう理解し、どう防げばよいのか、一歩ずつ整理していきましょう。
脳卒中には大きく分けて2つのタイプがあり、それを理解することが予防と治療の第一歩です。
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