日本企業の在中戦略、拡大から投資回収 管理重視へ
2019年以降、日本企業による中国事業の調整は、持ち分の売却、提携の終了、投資の縮小といった形が中心となっており、工場を集中して閉鎖したり、撤退を公に表明したりするケースは比較的少ない。日中合弁事業の運営に詳しい複数の関係者は、これは偶然ではなく、制度上のリスク、資本規制、事業コストを総合的に評価したうえで、日本企業が選択した比較的慎重な調整プロセスだと指摘する。
北京在住で、長年にわたり日中合弁案件の交渉に携わってきた企業コンサルタントの姜さんは、今週の取材に対し、多くの日本企業にとって中国からの全面撤退は、法的リスクや労使問題、企業の評判への影響といったコストが大きく、かつ見通しが立てにくいと述べた。撤退を公表すれば、従業員への補償や契約処理、地方政府との調整が必要となり、関連手続きが数年に及ぶことも少なくなく、結果の不確実性も高いという。
姜さんは、目立った形で撤退するよりも、持ち分の売却や契約更新の停止、新規投資の見送りといった方法で段階的に関与を減らす方が、リスクとペースを管理しやすいとし、「これは比較的コントロールしやすく、日本企業の意思決定の考え方にも合致した道筋だ」と語った。
関連記事
日本銀行とザイマックス総研の共同研究は、8万件超のデータを用い、オフィス賃料の経年減価が築25年で鈍化する事実や、リノベーションによる明確な賃料回復効果を実証した
片山財務相は財政演説で、不透明な中東情勢から国民生活を守るための「リスク最小化」を掲げ、2.5兆円の「中東情勢等対応予備費」創設を表明した
日銀の植田総裁は、中東情勢を受けた原油高という「供給ショック」への対応方針を示した。物価上振れリスクを強く警戒しており、状況に応じた追加利上げや長期国債買入れの減額計画を進める姿勢を鮮明にしている
経済協力開発機構(OECD)は6月1日、中国企業の世界市場におけるシェア拡大の背景に巨額の政府補助金があるとす […]
経済産業省と財務省は、韓国、中国、台湾から輸入される熱延鋼帯および鋼板に対する不当廉売関税の調査を開始した。国内鉄鋼4社の申請を受け、安価な輸入品による国内産業への被害を調べ、課税の要否を判断する