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研究 甘味飲料の摂取が脂肪肝発症を促進

非アルコール性脂肪性肝疾患(MASLD   代謝機能障害関連脂肪肝)は、世界で最も罹患率の高い慢性肝疾患であり、世界人口の30%以上が影響を受けていると推定されます。肝細胞への脂肪蓄積に伴い、炎症、痛み、疲労など様々な症状を引き起こします。

 

従来の研究はメインとして糖質飲料の有害性に焦点が当てられてきました。しかし欧州消化器病学会(UEG Week 2025)で発表された最新研究では、甘味料を含む飲料を1日1缶(約250ミリリットル)超摂取する場合、MASLDの発症リスクが有意に上昇し、とりわけ人工甘味料飲料のリスクがより高いことが示されました。

 

本研究は、イギリスバイオバンク(UK Biobank)に登録された約12万4千名を対象とし、平均10.3年間追跡した大規模研究でした。

主要研究者であるリウ・リーホー(Lihe Liu)博士は次のように述べています。「糖質飲料と人工甘味料飲料は構成が異なるものの、いずれも肝臓の代謝機能に対して悪影響を及ぼすことが示唆されました」

 

研究は次のような結果をしめされています。

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