2020年1月27日、パンデミックの最中にあった武漢市長・周先旺(右)は中国国営中央テレビ(CCTV)の取材に応じ、感染情報を隠蔽した主な責任は中央政府にあることを暗に示した。(映像キャプチャ)

元武漢市長 周先旺逮捕 習近平指示でコロナ感染隠蔽 11愛人・25億円不正の全貌

2020年1月27日、パンデミックの最中にあった湖北省武漢市長・周先旺は、中国共産党(中共)のメディアのインタビューを受けた際、「地方政府としては、許可を得てからでなければ公表できない」と述べた。つまり、隠蔽の主要な責任が「自ら指揮」を掲げる習近平が率いる中央にあることを示唆したのである。いま、周先旺はどうなったのか。

2026年1月4日、中共中央規律検査委員会と国家監察委員会の公式サイトは、元武漢市長・周先旺の党籍および公職剥奪を発表した。報告によれば、周は権力と金銭、権力と性の取引に関与し、生活が腐敗・堕落していたと指摘した。元湖北省委書記の蒋超良も、2025年10月に「双開」(党籍および公職の両方剥奪)の処分を受けている。両者はいずれも、いわゆる武漢肺炎(別名 中共ウイルス、またはCOVID-19)発生当時に湖北省および武漢市の最高行政責任者を務めた人物であり、「五毒俱全」(あらゆる悪徳を兼ね備えた)、「共産共妻(財産を共有し、妻も共有)」の典型的な腐敗官僚として知られている。

内部関係者によると、周先旺は長年にわたり11人の女性と不正な関係を持ち、そのうち3人は「寝て契約を取る」手法で公共工事を請け負っていたという。特に、ある建設グループの女性プロジェクトマネージャー・崔某は、「海外視察」に同行しただけで、契約額8億元(約170億円)の地下鉄内装プロジェクトを手に入れたとされる。

▶ 続きを読む
関連記事
中国が進める「軍民融合」の実態を解説。商船をミサイル艦へ転換する「中大79」や、戦車を輸送する大型フェリー、さらに「海上民兵」という民間を装う準軍事組織の脅威など、偽装される海上戦略の深層に迫る
IMFが中国経済の危機を分析。共産主義の統制が壁となり、国民の消費が進まない歪んだ構造を指摘しています。なぜハイテク投資ばかりで生活が楽にならないのか? 中国が抱える「イデオロギーと経済」の矛盾を解説
ホルムズ海峡の混乱により、世界の注目は紅海の入り口「バブ・エル・マンデブ海峡」へ。ジブチで隣接する米中両軍の基地を比較し、輸送ルートの支配権を巡る現状を解説。米国の圧倒的優位と中国の弱点を解き明かす
米国の軍事行動によりイランが経済的・軍事的に窮地に立つ今、中東から中国・ロシアに至る世界の勢力均衡が変化している。同盟国欧州の非協力的態度を批判しつつ、トランプ政権による戦略的勝利の兆しを論じる
中東は「敵か味方か」だけでは語れない、複雑な利害が絡む場所。2026年、米国が仕掛けた「二重封鎖」という新戦略が、イランや中国の計算をどう狂わせるのか。平和を揺るがす「急所」の正体を分かりやすく解説