2026年3月12日、スペイン北部バスク地方のシエルベナにあるビスカヤ湾ガス(BBG)再ガス化施設の全景(ANDER GILLENEA / AFP via Getty Images)

トランプ氏 ホルムズ海峡の護衛呼びかけ 中共への試金石か

中東での戦闘が3週目に入り、国際原油価格は乱高下を続けている。世界のエネルギー輸送にとって極めて重要なホルムズ海峡が注目を集める中、トランプ大統領は、海峡の航行の安全確保のため約7か国に軍艦の派遣を要請したと明らかにした。北京がこれに応じるかどうかにも関心が集まっている。

3月16日、WTI(テキサス州とニューメキシコ州を中心に産出される原油の総称)原油は3%下落し、1バレル95ドルとなった。時間外取引では一時100ドルを上回る場面もあった。北海ブレント原油は約1%下落し、1バレル102ドル前後で推移した。

トランプ氏は、中東産原油への依存度が高い約7か国に対し、ホルムズ海峡の航行の自由を維持するための共同パトロールへの参加を要請した。トランプ氏と習近平の会談が予定される中、名指しされた中国が呼びかけに応じるかどうかにも注目が集まっている。

トランプ氏は15日の発言で、中国を「興味深いケース」として挙げ、
「中国の石油の大半、約90%がホルムズ海峡を通って輸送されている。だから私は、彼らがホルムズ海峡に入る意思があるのか尋ねた。様子を見てみよう。入るかもしれないし、入らないかもしれない。彼らが海峡に入らない理由には、より深い事情もある。私の考えでは、彼らは入るべきだ」と述べた。

また、「ホルムズ海峡は中国や多くの国にとって極めて重要だ。なぜ彼らは護衛をしないのか。率直に言えば、それはこれまでのアメリカのリーダーシップが不十分だったためだ。しかし私は今、この問題を提起している。長期的に見ても、他の国々が我々を支援すべきことだと思うからだ」と指摘した。

トランプ氏は、世界の石油輸送の5分の1を担うこの航路について、アメリカ自身は石油を自給できるため生存に不可欠なものではないが、他国にとっては極めて重要であると強調した。

米エネルギー情報局のデータによると、2024年にホルムズ海峡を通過した原油のうち、最終的に約70%が中国、インド、日本、韓国に向かっている。

専門家の間では、トランプ氏の発言は中国共産党(中共)当局に圧力をかける狙いがあるとの見方が出ている。ただ、中共は自国のエネルギー供給が直接影響を受けない限り、参加する可能性は高くないとの指摘もある。

台湾国防安全研究院の沈明室研究員は、イランが「人民元決済を行う国や、米以に抗議する国の船は通行させる」と述べている点を指摘した。現在、イランはイスラエルとアメリカの船舶以外は通航できると表明している。

同氏は「中共はイランに圧力をかける手段を持っているが、仮に関与するとしても、アメリカやその同盟国と共同で軍艦を派遣し護衛に当たる可能性は低い」と考えている。

その理由について、「中国はロシアから石油を購入できる。中共にとってアメリカ主導の共同護衛行動に参加する利益は大きくなく、むしろアメリカ側の利益が大きい。現状では、中国は自国の利益を最優先に判断するだろう」と説明した。

同研究院の戦略資源研究所長、蘇紫雲氏は「第一に、中国は紅海でも護衛艦隊を展開している。第二に、トランプ氏はこれを一種の試金石と位置付けており、中国の姿勢を見極める狙いがある。アメリカ側は状況を見ながら対応し、対中関係を調整する可能性がある」と分析した。

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