17日、ベイルート南部郊外で、イスラエル軍の空爆を受けて煙が立ち上る(Nael Chahine / Middle East Images / AFP via Getty Images)

イスラエル軍 イラン最高安全保障トップのラリジャニ氏を殺害

イラン指導部が再び大きな打撃を受けた。イスラエル政府は3月17日、イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長を殺害したと発表した。ラリジャニ氏はイラン政権の「実質的な指導者」とも指摘され、抗議デモ参加者の虐殺を指揮していた。あわせて、民兵組織「バスィージ」の司令官も殺害。イスラエルのネタニヤフ首相は声明で、イランのテロ政権を解体し、国家を国民に返す考えを示した。

イスラエルのサール外相は「彼(ラリジャニ)には1千万ドルの懸賞金がかけられていたが、我々は無報酬で排除した」と述べた。

イスラエル側は同日、ラリジャニ氏に加え、バスィージのスレイマニ司令官も殺害した。

ネタニヤフ氏は「ラリジャニ氏は革命防衛隊の親玉である。彼らはイランの実権を握る悪党だ。また、バスィージの指揮官も、こうした悪党の共犯者であり、テヘランをはじめとする都市の街頭で恐怖を煽り、一般市民を脅し続けてきた」と述べた。

イランのレザー・パフラヴィー元王太子も声明を発表し、ラリジャニ氏らについて「当然の報いだ」と評したうえで、政権内に残る勢力に対して離反を呼びかけた。

ラリジャニ氏は長年、イラン政権内で最も影響力のある人物の一人とされ、前最高指導者ハメネイの側近として知られている。

最近の抗議活動の広がりを受け、ラリジャニ氏はデモ隊への弾圧を指揮していたとされる。

一方、イラクの首都バグダッドにあるアメリカ大使館は同日未明、ミサイル攻撃を受け、建物から炎と黒煙が上がった。

目撃者が撮影した映像では、複数のドローンが上空を飛行した後、施設に爆発物が命中する様子を確認。イラク治安当局の関係者はロイターに対し、今回の攻撃はこれまでで最大規模、少なくとも5機のドローンが使用されたと明らかにした。

同日夜の時点でも攻撃は続いており、爆発物を搭載した少なくとも3機のドローンが、バグダッド国際空港近くの米外交施設を標的にした。防空システムが作動したが、現時点で死傷者や財産被害の報告は確認できていない。

アメリカとイスラエルの連携による圧力が強まる中、イラン政権は厳しい状況に置かれている。

ロイターによると、イランの高官は同日、新たな指導者モジュタバ師は、仲介国を通じた緊張緩和の提案を拒否したと明かした。モジュタバ師が会議に直接出席したのか、リモートで参加したのかは明らかになっていない。

関連記事
イランがホルムズ海峡の「厳格な軍事監視」再開を宣言。米国の海上封鎖への対抗措置として、通航タンカーへの発砲も報告された。トランプ米大統領による停戦延長の不透明感も相まって、緊迫した情勢が続いている
トランプ氏は、「米国は、我が国の偉大なB-2爆撃機によって生成されたすべての核の『塵』を受け取る。いかなる形でも、金銭の授受は行われない」と述べた
イランのアラグチ外相は17日、ホルムズ海峡を商用船舶に全面開放すると表明した。ただ、現場では通航の正常化は進んでおらず、海運各社も慎重な姿勢を維持している。こうした中、クルーズ船1隻が戦闘開始後初めて同海峡を通過した
ホルムズ海峡の開放をめぐっては、イラン政府とイラン革命防衛隊の間で見解の違いが浮上。トランプ氏は「今後どうなるか見ていこう」と述べた一方、「大きな対立にはならない」と考えている
イランのアラグチ外相は4月17日、イスラエルとレバノンの停戦期間中、ホルムズ海峡を通過するすべての船舶の安全な航行を認めると発表。トランプ米大統領は謝意を示し、対イラン海上封鎖は、米・イラン間の合意成立まで継続する考えだ