2026年4月1日、トロントのフォーシーズンズ・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツは、爆破予告の虚偽通報のため、神韻の公演を中止した(滕冬育/大紀元)

トロントの劇場が神韻公演を中止 西側の芸術の自由に関わる事態に

カナダ・トロントのフォー・シーズンズ・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ(Four Seasons Centre for the Performing Arts)で開催予定だった神韻国際芸術団(Shen Yun Performing Arts)の公演が、虚偽の爆破予告を理由に劇場側によって中止された。これは神韻の約20年にわたる世界巡回公演の歴史の中で初めての事態である。神韻芸術団は声明の中で、「北京による一連の妨害工作は、西側諸国がどこまで本気で『芸術の自由』を守り抜くつもりなのか、その覚悟を問うものである」との見解を示した。

神韻は中国五千年の伝統文化の復興を旗印に、中国古典舞踊や民族舞踊、オリジナル音楽を融合させたステージを披露しており、同時に中国で迫害を受けている法輪功学習者の実話も描いている。

2006年の設立以来、神韻は北京当局から外交的圧力やサイバー攻撃、誹謗中傷など多岐にわたる妨害を受けてきたが、今回のような脅迫による公演中止は「危険なマイルストーン」と見なされている。これは、権威主義による芸術への干渉が極めて危険なレベルに到達したことを示す象徴的な出来事といえる。

カナダの複数の国会議員や来場者は、中止の決定に対し失望と衝撃を露わにした。一部の観客は極寒の中で劇場の外に留まり、神韻の芸術家たちへの支持を表明した。

神韻側は、自由社会が直面している試練は、「外国の脅迫によって上演される芸術や語られる物語が決定されることを許すのか」という点にあると強調した。「恐怖が言論の自由の境界を定義する要因になってはならない」としている。現在、神韻の世界各地での公演は継続されており、主催者は現地の法執行機関と密接に連携し、今後の公演の安全を確保する意向を示した。

神韻芸術団の声明:北京の妨害工作は西側の決意を試している

神韻芸術団は4月7日、トロントでの公演中止を受け、「北京による神韻へのキャンペーンは、芸術の自由を守る西側の決意を試している(Beijing’s Campaign Against Shen Yun Tests Resolve of the West to Defend Artistic Freedom)」と題した公式声明を発表した。内容は以下の通りである。

神韻芸術団は、中国共産党政権による西側の声を抑圧する動きが、新たな危険な段階に達したことに深い懸念を表明する。

 

この2年余り、我々の公演を中止に追い込み、伝えようとする真実を闇に葬ろうとする執拗な嫌がらせが激化している。これには、神韻、劇場、研修生が通う学校、我々の家族、そして活動を支持する公職者に対する150件以上の虚偽の爆破予告、無差別銃撃の示唆、その他の暴力的脅迫が含まれる。

 

観客と出演者の安全は常に最優先事項であるが、法執行機関による調査の結果、これらの脅迫はいずれも「根拠なし(unfounded)」と判定されている。これらは真の安全上のリスクではなく、恐怖を煽り、劇場に圧力をかけて公演を中止させるための意図的な企てである。各地の捜査当局による調査の結果、これら一連の脅迫の発信元が中国本土であることが判明している。

 

先週、これら一連の脅迫により、神韻の20年近い歴史で初めて公演が中止された。これは北京が我々の自由に影響を及ぼす能力が、憂慮すべき新たな段階に達したことを示している。

 

中国共産党(中共)がこうした手段を講じるのは、神韻が中国五千年の伝統文化の真の姿を提示し、共産党が権力を奪取する以前の中華文明の精神的な深みと道徳的価値——すなわち中共が消し去ろうとした遺産——を再現しているからである。

 

また、我々の舞台は、仏家を源流とする穏やかな精神修養法である法輪功が、中国本土で受けている迫害の真実をも露わにしている。25年以上にわたり、法輪功学習者は中国で大規模な拘束、拷問、拘禁中の死亡、そして生存中の学習者から強制的に臓器を奪う「強制臓器摘出」などの非人道的な迫害を受けてきた。これらは国際的な人権調査員によって裏付けられている。

 

世界中の観客にこれらの物語を伝えることで、神韻は中共が抹消しようと躍起になっている真実を代弁している。我々に対する脅迫は、中共による広範な情報抑圧工作の一環である。

 

これは、単なる一つの公演の枠を超えた重大な問題である。これらの出来事は、権威主義体制による脅しによって「どんな芸術を上演し、どんな物語を語るか」が左右されることを、自由社会が許容するのかどうかを問う試金石である。

 

もし暴力的な脅迫によって芸術表現の妨害が成功すれば、敵対的な外国政権が民主主義国家において文化作品を事実上拒否できるという、危険な先例を作ることになる。検閲が公然と行われることは少ない。それは往々にして、表現活動に多大な代償を強いることで人々を萎縮させ、社会が恐怖に支配されるまで、目に見えない形で進められるものである。

 

今、求められているのは冷静な頭脳と確固たる決意である。自由国家は、暴力や脅迫が芸術の創造や物語の伝達を左右することは決してあってはならないと再確認すべきである。

 

我々は、これらの脅迫に断固として抵抗した世界各地の劇場に心から感謝する。彼らは地元の法執行機関と協力して安全を確保し、威嚇によって神韻への支持を弱めることを拒んだ。また、並外れた連帯感を示してくれた観客の皆様にも感謝する。爆破予告後の警察の捜索中、極寒の劇場の外で待ち続け、芸術家たちに絶え間ない励ましと支持を与えてくれた。

 

我々は各国政府と法執行機関に対し、調査を継続し、犯人を裁きにかけるよう促す。また、文化機関に対しては、警備の専門家の知見を信頼し、脅迫に根拠がないと判明した場合には、芸術表現を抑圧しようとするいかなる威嚇にも毅然と立ち向かうよう切に願う。

 

結局のところ、問題は威嚇が行われるかどうかではなく、それが「成功するかどうか」にある。答えは明確でなければならない。恐怖が自由世界の声を制限することは決してあってはならない。今日、我々は毅然とした態度を貫き、舞台が常に真の芸術表現の場であり続け、脅迫に縛られる場所にならないよう守り抜く。

 

神韻は、今回の事件が中共による「国境を越えた弾圧」の延長線上にあると強調し、西側社会に対して芸術と言論の自由を守るよう呼びかけた。

実行主任:言論・表現の自由を守る決意の試金石

法輪大法情報センター所長であるリーバイ・ブラウダ(Levi Browde)氏は4月6日、フォー・シーズンズ・センターによる公演中止についてビデオ声明を発表し、中共が自由国家へ触手を伸ばしていると指摘、その威嚇に屈しないよう呼びかけた。

ブラウダ氏はビデオの中で次のように述べている。「我々は、中国共産党による法輪功学習者への『国境を越えた弾圧』が、極めて危険な新段階に入ったと考えている。その矛先は、神韻芸術団のような学習者が設立した組織にまで向けられている。現にトロントの劇場は爆破予告を受け、神韻の残り全公演の中止を決定してしまった」

「現地の警察は、世界各地の同様のケースと同様に、これらの脅迫に根拠がなく、いたずらの類であると判断した。つまり、実際には真の安全上の脅威ではないということだ。これらは単なる威嚇手段に過ぎない。そしてその目的は、我々が語る物語、上演する芸術、表現する思想をコントロールすることにある」

さらに同氏は、「もし我々がこれらの威嚇に屈して公演を停止すれば、この国境を越えた弾圧において危険な先例を作ることになる」と警鐘を鳴らした。

ブラウダ氏は自由国家に対し、中共への警戒を促した。「我々はこの背後にある真実を直視しなければならない。これは法輪功や神韻だけの問題ではない。地球上最大の極権政権が自由国家に触手を伸ばし、我々の自由を放棄させようと威嚇を用いている今、我々が言論や表現の自由を守り抜けるかどうかの試金石なのである」

政治評論家:神韻と法輪功を前に、中共は完敗するしかない

X上で活動する中国語の政治評論家でありインフルエンサーのFriedrich4th氏は、なぜ中共がこれほど神韻を恐れるのかを分析した。

同氏は「神韻の存在、法輪功の存在は、中共による海外華人コミュニティへの思想統制を破壊する」と指摘している。

「神韻を一度観ればわかることだが、歌や踊りのステージ全体において、政治的な要素は実はごくわずかである。プログラムには法輪功学習者が迫害を受けながらも信仰を貫き、最終的に救われるという演目もいくつかあるが、多くは『西遊記』などの古典小説を背景にしたものだ」

「そこにあるのは、勧善懲悪といった伝統的な観念への崇敬である。現場の雰囲気に浸り、背景音楽に耳を傾けていると、率直に言って、私も法輪功学習者が悪徳警官に残虐な扱いを受ける場面では涙が出そうになった。だが、(中共が主張するような)『洗脳』の内容は一体どこにあるというのか」

「これほどまでに中国共産党を恐れさせているものが一体何なのか、その(神韻の)内容を直視すれば自ずと明らかになるはずだ」

同氏は、法輪功の演目がなぜ中共の暴政にとって大きな脅威となるのかについても言及した。同氏によれば、人間の本性や道徳に根ざした法輪功や地下教会の結びつきは、権力による統制が及ばない領域で、中共の支配を根底から揺るがすほどの「非対称的な強み」を発揮しているのだという。

Friedrich4th氏は、法輪功が説くのは道徳であると指摘する。「それも、中共が作り上げた『社会主義的道徳』、つまり権力者が弱者に服従を強いるための訓育ではなく、真の道徳である」

真の道徳とは、一つのコミュニティにおける「仲間に対してどう接すべきか」という行動規範の合意である。こうした規範こそが、そのコミュニティをメンバーにとって魅力的なものにする。そこには、情義に厚い人々、困難を恐れない人々、そしてあなたを「身内」として扱ってくれる人々がいる。中共が育て上げた、口では「同じ中国人だ」と言いながら実際には背後から刺すような人間とは対照的である。

同氏は最後にこう綴っている。「観客が『洗脳』と見紛うほどの強い感動を覚えるのは、台詞のないダンスや、完全には同意できない伝統的な道徳観そのものに対してではない。それは、中共が作り出した『道徳の砂漠』で長年孤独を味わってきた人々が、ようやく自分を迎え入れてくれる場所、すなわち真の『絆』を見つけたという感覚に揺さぶられるからだ」 「こうした心の拠り所を提供できない偽の集団である中共は、精神的な価値をめぐる争いにおいて、彼らに完敗せざるを得ないのである」

中国語圏のインフルエンサー:文化活動が恐怖や外部圧力に左右されてはならない

著名な中国語圏のインフルエンサー「公子沈」氏は昨日、トロントのフォー・シーズンズ・センターは虚偽の爆破予告に屈すべきではなく、カナダ政府も中共に対抗する声を上げるべきだと投稿した。「フォー・シーズンズ・センターは、威嚇と沈黙を目的とした虚偽の爆破予告に屈してはならない。屈服はこうした行為を助長し、カナダ人の基本的自由を損なうだけだ」

別の投稿では、「カナダの文化活動が恐怖や外部圧力に左右されることがあってはならない。カーニー(Carney)政権も、何事もなかったかのように沈黙を守るのをやめ、明確な態度を示して中共に立ち向かい、カナダ人の安全、権利、そして主権を守るべきである」と訴えた。

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