2021年9月30日、ロンドン近郊グレイズにあるナビゲーター・ターミナルのタンク貯蔵施設で、LPGタンカー「JS Chukar」(Leon Neal/Getty Images)

ホルムズ海峡通航難でエネルギー市場動揺 172隻のタンカーが米国へ

中東情勢の緊張が高まり、世界のエネルギー輸送に大きな変化が起きている。ホルムズ海峡の通航が不安定となり、アメリカがイランに海上封鎖を実施したことを受け、多数のタンカーが航路を変更しアメリカ湾(メキシコ湾)へ向かっている。トランプ大統領は、アメリカは高品質のエネルギーを有しており、各国の購入を待っていると強調した。専門家は、こうした動きが世界のエネルギー供給体制を再編しつつあり、中東石油への依存度が高い国々に大きな影響を及ぼすとみている。

海外メディアは、イギリスの海事分析会社ウインドワードの報告書を引用し、すでに172隻のタンカーがメキシコ湾へ進路を変更していると伝えた。ヨーロッパ北部を経てアメリカへ向かうタンカーは46%増加し、アジアおよびペルシャ湾発の航路は132%増となっている。ホルムズ海峡の通航不安を受け、業界関係者が中東のリスクを避け、供給が比較的安定したアメリカ市場へ移っているとの見方が出ている。

トランプ氏はSNSで、空荷のタンカーがアメリカに向かい、原油と天然ガスを積み込む準備を進めていると述べた。さらにアメリカ産原油を「最も甘い油」と表現し、高い精製価値を強調したうえで、「われわれはあなた方を待っている」と呼びかけた。国際市場への直接的なアピールと受け止められている。

▶ 続きを読む
関連記事
米国がイランへの制裁を強化する中、通貨リアルが過去最安値を更新。テヘランではガソリンスタンドに長蛇の列ができ、物価高や買いだめ、労働者の抗議も広がっている
米政権が発表した対イラン包括制裁「経済版Dデー」の実効性を検証。多国間協調の欠如や中国の抜け穴、米財政悪化のリスクを挙げ、過去半世紀の歴史から単独制裁の限界と世界経済への影響を分析した論評
米国のベッセント財務長官は「経済的孤立作戦」を開始し、イランの資金網を徹底的に遮断する方針を表明した。デジタル資産や金、航空、海運などへの制裁も拡大。イラン通貨リヤルは過去最安値を更新した
トランプ大統領とベッセント財務長官は、イランに対して極めて厳しい経済圧力をかけると明言した。トランプ氏はイランに命綱を提供する国や企業にも責任を及ぼす方針だ
ベッセント米財務長官は4日、アメリカとイランが同日または5日にも合意に達し、ホルムズ海峡を再開して商船の自由な航行を回復させると述べた