米中央軍の責任区域内での「オペレーション・エピック・フューリー」において、実射任務を行うM142高機動ロケット砲システム(HIMARS)(保安上の理由から一部加工済み)(U.S. Army Photo)

ドローン防衛の経済学 再評価すべき火砲の価値

紅海での戦いをはじめとするここ1年の紛争は、海軍が長年気づいていながら、見て見ぬふりをしてきた「冷酷な現実」を突きつけた。もはや対策を先送りにできない段階にまで、事態は追い込まれている。それは、1発100万ドルから2800万ドルもするミサイルでドローンや無人航空機(UAV)を防御することは、持続不可能な「コストの非対称性」を生んでいるという事実だ。

紅海周辺だけでも、フーシ派のドローン攻撃や安価な低性能ミサイルに対する約15ヶ月間の防衛戦で、米軍艦は約120発のSM-2、80発のSM-6、少数のESSM、そして未公表数の極めて高価なSM-3を発射した。その費用は約10億ドル(約1500億円以上)にのぼる。

各ミサイルの単価は以下の通りだ。

▶ 続きを読む
関連記事
全米で広がるデータセンターや監視カメラへの反発は単なる新技術への拒絶ではない。国家権力と巨大資本が結託し、上から押し付ける「不自然な進歩」と統制網に対し、生活と自由を守る民衆が示す根源的抵抗の本質に迫る
臓器提供前の死亡を原則とする「デッド・ドナー・ルール」撤廃の議論が生命倫理界で台頭している。臓器摘出を直接の死因とする過激な提案が、移植医療への信頼を崩壊させかねない危機に警鐘を鳴らす論評
アメリカの中間選挙を控え優勢が伝えられる民主党に対し、トランプ陣営の対イラン戦略の成果や豊富な選挙資金、民主党内の急進左派・民主社会主義者の台頭がもたらす逆風を分析。共和党が上下両院を維持する可能性を論じる
米国への不満から中国への接近を図る西側同盟国に対し、経済依存を武器化する中国の危険性を警告する論評。経済と政治を切り離せると過信し、過去の教訓を無視して中国を頼ることは、自らの弱点を晒す愚行だと説く
中国を製造大国へと導いた元首相・朱鎔基の足跡を辿る論評。WTO加盟や税制改革など現代の繁栄を築いた剛腕の功績と痛みを振り返り、現体制下で進む改革の形骸化を通じて全体主義の危うさを問い直す