中国発イラン行き貨物船が封鎖線突破図る 米軍が拿捕
アメリカとイランの緊張が再び高まっている。トランプ大統領は4月19日、イランの貨物船1隻が警告に従わなかったため、米軍が機関室を攻撃して穴を開け、航行不能にしたと明らかにした。
米軍ミサイル駆逐艦「スプルーアンス」は無線で、「貨物船トゥースカ号、貨物船トゥースカ号。機関室から退避せよ、機関室から退避せよ。無力化射撃を実施できる態勢に入っている」と警告した。
米海軍のミサイル駆逐艦「スプルーアンス」は19日、オマーン湾でイランのバンダル・アッバース港に向かっていた貨物船「トゥースカ号」を停止させた。トゥースカ号が6時間にわたり繰り返しの警告に応じなかったため、米軍は射撃を行った。
その後、米海兵隊員が強襲揚陸艦「トリポリ」からヘリコプターでアラビア海上空へ向かい、ロープ降下でトゥースカ号に乗り込んで同船を拿捕した。
トランプ大統領は投稿で、トゥースカ号について「全長は900フィート近くあり、その規模は空母にほぼ匹敵する」と述べた。また、イラン人乗組員が命令に従わなかったため、米軍が「機関室に穴を開けて航行不能にした」と明らかにした。
米中央軍司令部によると、当時トゥースカ号は時速約20マイルでアラビア海北部を航行し、イランのバンダル・アッバース港へ向かっていた。
消息筋はロイターに対し、トゥースカ号には、米側がイラン向けとみる「軍民両用物資」が積まれていた可能性が高いと明らかにした。
トゥースカ号は当時、中国からイランへ向かっていた。また、同船が属する「イラン・イスラム共和国海運会社」(IRISL)グループは、イランのミサイル計画向けの資材を調達していたとしてアメリカの制裁対象となっている。
米軍によるトゥースカ号の拿捕を受け、イラン側は報復を示唆し、中国共産党当局も急きょ懸念を表明した。
関連記事
米国の海上封鎖と強力な経済制裁により、深刻な経済危機に直面するイラン。石油輸出の激減や通貨安が進み、ホルムズ海峡を巡る交渉力も低下する
姿を見せないイラン最高指導者モジタバ。生死不明の傀儡を擁立し、誰も異論を唱えられない異様な状況を作り出すことで自らの絶対的権力を誇示する革命防衛隊バヒディ総司令官――独裁体制が抱える暗部に迫る
ベッセント財務長官は、イラン政権を支援する国や企業に「距離を置くよう」警告した。トランプ政権は金融、航空、海運など幅広い分野で対イラン制裁を強化している
米国の経済的追放作戦の影響が表面化ている。イランが約7週間にわたり、ホルムズ海峡を通じた大規模な原油輸出を行っていないと報じられた。イラン大統領は9月1日、改めて停戦の意思を示した
EUは米国やG7と連携し、イランへの圧力を継続する方針を表明した。米主導の経済圧力策を歓迎し、和平交渉への参加や地域を不安定化させる活動の停止を要求。追加制裁の可能性にも言及した