優位性から負の遺産へ ホルムズ海峡は今やイラン最大の弱点
半世紀にわたり、ホルムズ海峡はイランにとって最大の戦略兵器とみなされてきた。しかし現在、それは同国を締め付ける「首縄」と化している。エネルギー需給の構造変化により、ペルシャ湾における強制力の均衡は大きく転換した。
イランの抑止力は地理的優位に基づいていた。1980年代の「タンカー戦争」から2010年代の制裁対立に至るまで、世界の海上輸送石油の約2割、液化天然ガス(LNG)も同程度が同海峡を通過する。軍事衝突がイラン政権を脅かせば、海峡封鎖により供給が途絶し、原油価格が急騰、西側消費国、とりわけ当時世界最大の輸入国であったアメリカに打撃を与える。これが従来の構図だった。
この海峡は、テヘランにとって保険であり、最強の交渉カードでもあった。自国以外の輸送を遮断できるとの前提に立っていたが、実際には封鎖の脅しそのものが、同国の最大の弱点を露呈していた。完全封鎖がもたらす最も深刻な打撃は、イラン自身に及ぶ。
関連記事
ルビオ国務長官はICCの赤根智子所長らを制裁対象に指定した。ルビオ氏は声明で、ICCを「腐敗し、致命的に政治化した超国家的裁判所」と批判している。ルビオ国務長官がなぜICCを批判したのかを大紀元の視点で読み解く
『論語』学而篇の「礼の用は和を貴しとなす」を解説。真の「和」とは単に波風を立てないことではなく、違いを認め合い秩序を保つこと。「礼」を通じて多様な人々が共生し、徳を社会に実践する本質に迫ります
中露朝の軍事的連携や対日攻勢が激化する東アジア情勢。崩壊しつつあるインド太平洋戦略と強硬姿勢を強める中国の狙いとは何か。その背景にある中国国内の経済減速と富裕層流出の危機から真相を読み解く
中国共産党(中共)中央テレビのドキュメンタリー『江沢民』は、1999年7月20日前後に起きた出来事が、人々が想 […]
憲法や法律などの制度は、地盤の上に建つ「家」にすぎない。社会を真に支える「地盤」とは一体何なのか。制度の形骸化が進む現代において、私たちが足元の道徳的習慣をいかに築き直すべきかを問いかけるシリーズ最終篇