2026年5月11日、トランプ米大統領の訪中を前に、北京の北京首都国際空港に着陸する米空軍のC-17輸送機(GREG BAKER/AFP via Getty Images)

トランプ訪中へ 米側が異例の厳戒態勢 輸送機12機投入

5月11日、中共外務省は、トランプ米大統領が今月13日から15日まで中国を国賓訪問すると発表した。

今回の米中首脳会談に向け、ここ数日、米側の警備や後方支援に使う機材が相次いで北京入りしている。

米軍の大型輸送機C-17が北京首都国際空港に頻繁に着陸しているほか、北京の街中では米大統領警護隊シークレットサービスの車列を目撃した市民も少なくない。

ネット上の情報によると、これまでに約70台の警備車両が北京に到着したとされる。11日だけでも、米側のC-17輸送機4機が米軍三沢基地から北京に到着した。先に到着していた8機を合わせると、計12機に上り、米大統領の海外訪問としては異例の規模だ。2017年にトランプ氏が中国を訪問した際は、輸送機は2機だけだった。

専門家は、これらの輸送機は、いわば「移動ホワイトハウス」のような役割を担っており、米政府が中共体制下の政治環境や安全上のリスクに強い警戒感を抱いていることを示していると指摘する。

時事評論家の李林一氏は、「米大統領がこれほど多くの物資を持ち込むということは、私から見ると、アメリカが中共をあまり信用していないということだ。したがって、警備は間違いなく非常に厳重になる。携行する各種装備も、かつてないほど多い」と分析した。

時事評論家の藍述氏は、「イラン情勢や台湾海峡情勢が緊迫するなか、トランプ氏本人の安全確保は極めて重要な課題となっている」と指摘した。

今回の会談で、トランプ氏は習近平と、貿易、関税、科学技術、台湾問題、中東情勢を重点的に協議する見通しだ。

米高官は先に、トランプ氏が会談で習に直接圧力をかけ、イランへの経済・軍事支援を停止するよう中共に求めると明らかにした。追加制裁も排除しないという。

これに先立ち、トランプ氏は、中共がイラン支援を続ける場合、中国からの輸入品に最大50%の追加関税を課すと警告していた。その後、習近平はイランに武器を供与しないと表明したが、外部の観測筋からは懐疑的な声が上がっており、中共のいかなる約束も信用すべきではないとの指摘も出ている。

藍述氏は、「今回のトランプ氏の北京訪問は、力を背景に平和を実現しようとするものだ。米政府はもはや中共のいかなる約束も信じていない。しかし、トランプ氏には西太平洋地域の平和を守る十分な力がある」と述べた。

会談を前に、中共は台湾問題が今回の会談の核心議題だと強調している。一方、ルビオ米国務長官は、アメリカの対台湾政策に変更はないと改めて表明した。

このため、外部の観測筋からは、今回の米中首脳会談で大きな突破口が開かれる可能性は低いとの見方が広がっている。特に台湾問題をめぐっては、最終的に農業や航空などの分野で象徴的な成果にとどまる可能性がある。

李林一氏は、「米政府もその点は十分承知している。それでも中共と協定を結ぼうとするのは、一つには米中関係を安定させたいからだ。もう一つは、米国民の利益を考え、中共側にアメリカとの貿易協定を結ばせる必要があるからだ」と語った。

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