骨と筋肉の減少は「ただの加齢」ではない
認知症の母親を8年間介護することで、睡眠、時間、四六時中頼られる必要のない自由など、多くのものが奪われました。ヘレンさんが知らなかったこと、そして誰も口にしなかったことは、それが彼女の骨にも悪影響を与えていたということでした。
68歳で退職した学校教師であるヘレンさんが私の診察室を訪れたのは、転倒して手首を骨折してから3か月後のことでした。かかりつけ医は、良心的な医師としてよくある対応を行いました。DEXA(二重エネルギーX線吸収測定法)検査を指示し、骨密度低下を防ぐ薬を処方し、カルシウムを多く摂取するよう伝えたのです。
実は、手首の骨折は彼女が失った二つのうち小さい方でした。体組成分析で、ヘレンは長年にわたり筋肉も失っていたことが明らかになりました。筋肉量は彼女の体格にふさわしい量を大幅に下回っており、患者が気づかないうちにゆっくり進行し、骨折などで初めて判明する場合がほとんどです。
関連記事
ナスは油を吸うだけの野菜ではありません。紫の皮の抗酸化成分、血圧・血糖・腸との関係、栄養を生かす調理と保存のコツを解説します
ステーキより安いレバーに、実は豊富な鉄分やビタミンが。捨てていた部位を見直すと、食費にも体にもやさしい食べ方が見えてきます
たった一つの親切が、相手の一日だけでなく、自分の心や体にも影響するかもしれません。善意がもたらす変化を科学から見ていきます。
認知症の高齢女性が、バイオリンの音に反応して目を輝かせた。クラシック音楽が記憶や感情、認知機能に届く仕組みを探ります。
死の直前、あるいは死から戻ったと語る人々は、何を見て、何を持ち帰ったのでしょうか。彼らの言葉には、不思議な共通点がありました。