国は、自動運転やデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入と、地域にある既存の輸送資源の活用を両輪に、交通網の維持を図る方針だ(shutterstock)

国交省が白書を公表 交通網維持へ自動化とDXを加速 人手不足に危機感

国土交通省は2026年7月、「令和8年版交通政策白書」を公表した。白書が示したのは、人口減少と担い手不足によって、国民生活や経済活動を支える交通網が全国規模で揺らいでいる現状だ。国は、自動運転やデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入と、地域にある既存の輸送資源の活用を両輪に、交通網の維持を図る方針だ。

とりわけ深刻なのが、全国で移動手段が失われる「交通空白」が発生していることである。バス路線の廃止が相次ぐ一方、高齢者の運転免許返納や学校、病院の統廃合によって、住民の移動需要はむしろ高まっている。

交通手段の不足は、単なる不便にとどまらない。家族による送迎の負担が増えれば、就業機会が失われる可能性がある。外出が減れば消費が低迷し、高齢者の健康悪化を通じて医療や介護の負担が増える恐れもある。白書は、交通空白を地域の衰退を加速させる「見えない壁」と位置付け、解消を成長戦略上の重要課題としている。

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