丈夫な骨を作るにはカルシウムを十分に摂取すればよい——そう考えている人は多いのではないでしょうか。しかし実際には、カルシウムはあくまでその一部に過ぎません。
骨を鉄筋コンクリートの建物に例えてみてください。ミネラル(無機質)が骨を強くする前に、体はまずⅠ型コラーゲンを主成分とする柔軟な土台を作ります。その後、カルシウムがこの土台を硬くし、さらにビタミンDとビタミンK2がカルシウムの吸収を助け、骨組織へ適切に運びます。また、マグネシウム、亜鉛、銅も重要な役割を担っています。これらの栄養素が連携して働かなければ、カルシウムだけを増やしても骨密度への効果は限られます。
コイ・ニュートリション・コンサルティング・センターの栄養士エディ・チャン氏はエポックタイムズに、「多くの人はカルシウムだけに注目しますが、丈夫な骨を維持するためには、複数の栄養素と定期的な運動の両方が欠かせません」と語りました。
骨を作るために欠かせない栄養素
カルシウム——丈夫な骨の土台を作る
カルシウムは、骨の強さを支える最も重要なミネラルです。チャン氏によると、一般的な成人では1日800〜1000mg、閉経後の女性や骨粗しょう症の人では1日1200mgの摂取が推奨されるといいます。
カルシウムを豊富に含む食品には、牛乳、ヨーグルト、チーズ、カルシウムで固めた豆腐、濃い緑色の葉野菜、黒ごま、骨ごと食べられる小魚などがあります。乳糖不耐症(乳糖を消化しにくい体質)の人には、ヨーグルトがおすすめです。牛乳より消化しやすく、カルシウムの吸収率も高いためです。
ビタミンD——カルシウムを骨に届ける鍵
カルシウムをいくら摂っても、ビタミンDが不足していると体は効率よく利用できません。
ビタミンDは腸でのカルシウム吸収を助け、それを骨へ取り込む働きをします。一般的な成人では1日約600IU(国際単位)、70歳以上では800IUが目安とされています。
ただし、天然の食品から摂取できる量は限られており、脂の多い魚、卵黄、ビタミンD強化乳製品、紫外線を浴びせて栽培されたきのこなどが供給源になります。また、適度な日光浴は体内でビタミンDを生成する最も効果的な方法の一つです。チャン氏は、可能であれば午前10時前または午後2時以降に、腕や脚を出した状態で10〜20分ほど屋外で過ごすことを勧めています。
ビタミンK2——カルシウムを骨へ運ぶ働き
カルシウムを吸収するだけでは不十分です。ビタミンK2は、カルシウムを骨へ運ぶたんぱく質を活性化し、骨格を強化します。
ビタミンK2にはいくつかの種類がありますが、中でもMK-7は体内で長時間作用することから特に注目されています。納豆は、MK-7を最も豊富に含む天然食品の一つです。日本で行われた複数のコホート研究(一定期間にわたり集団を追跡する疫学研究)によると、納豆を日常的に食べる閉経後の女性は骨量の減少が緩やかで、骨粗しょう症による骨折リスクも低い傾向があるといいます。
たんぱく質・マグネシウム・亜鉛・銅——骨を支える縁の下の力持ち
骨の健康というとカルシウムに目が向きがちですが、それ以外の栄養素も欠かせません。
たんぱく質は、骨の柔軟性を支えるコラーゲンを作るために必要なアミノ酸を供給します。マグネシウムはビタミンDを活性化し、亜鉛と銅はコラーゲンの生成や正常な骨のリモデリングに関わっています。全粒穀物、豆類、ナッツ、種子類、野菜、脂肪分の少ないたんぱく質をバランスよく摂取すれば、これらの栄養素は通常、十分に摂取できます。
骨を作る栄養素を最大限に生かす方法
骨に必要な栄養素を摂ることはもちろん重要ですが、摂り方にも工夫が必要です。
ビタミンDとビタミンKは脂溶性ビタミンであるため、チャン氏は、オリーブオイル、アボカド、ナッツ類、脂の多い魚など健康的な脂質を含む食事と一緒に摂ることで吸収率が高まると説明しています。
カルシウムのサプリメントは、多く摂ればよいというものではありません。体は一度に大量のカルシウムを摂るよりも、少量ずつ摂取した方が効率よく吸収できます。たとえば1日1,200mgが必要な人は、一度にまとめて摂るより400mgを3回に分けた方が吸収率は高くなります。
チャン氏はまた、サプリメントはあくまで食事を補うものであり、食事の代わりにはならないと強調しています。できる限り栄養は食品から摂ることで、ビタミンやミネラルだけでなく、健康を支えるさまざまな有用成分も一緒に取り入れることができます。
適切な栄養は骨を作る材料を供給しますが、それだけでは骨は強くなりません。体がその材料を活用する動機を与えるのが、運動です。
丈夫な骨に運動が欠かせない理由
適切な栄養は骨を作る材料を供給し、運動はその材料を骨作りに使うよう体へ指令を送ります。
この考え方は「ウォルフの法則(骨は加わる力に応じて形や強度が変化するという法則)」によって説明されます。体重を支える運動で筋肉が骨を引っ張ると骨を作る細胞が刺激され、より多くのミネラルが骨へ蓄積されます。その結果、骨密度と骨の強さは徐々に高まります。
また、運動は骨の健康を脅かす隠れた要因である慢性的なストレスの軽減にも役立ちます。長期間ストレスが続くとコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が増え、骨量の減少や骨の弱体化を招く可能性があります。定期的な運動はストレスを軽減するとともに、筋力・バランス能力・協調性を高め、転倒や骨折のリスクを下げます。
ただし、すべての運動が骨に同じ効果をもたらすわけではありません。水泳やサイクリングは心肺機能の向上には優れていますが、骨への刺激は比較的少なめです。一方、体重を支える運動やレジスタンス運動(筋力トレーニング)は重力に逆らって筋肉を使うため、骨をより効果的に強化します。
骨の健康を支える自重エクササイズ6選
認定パーソナルトレーナーの立場から、特別な器具をほとんど必要とせず日常生活にも取り入れやすい、6つの自重エクササイズをご紹介します。
1. かかと上げ運動(ヒールレイズ)
ステップ1:かかとを揃えてつま先を「V字」に少し開き、背筋を伸ばして立ちます。
ステップ2:かかとを床から持ち上げ、体重を足の指の付け根に移します。ふくらはぎの筋肉が収縮し体が上へ伸びる感覚を意識してください。最も高い位置で約3秒静止したら、ゆっくりとかかとを下ろします。
2. 小ジャンプ
ステップ1:かかとを揃えてつま先を「V字」に少し開き、両手を腰に当てます。
ステップ2:軽くジャンプしてつま先を床から離し、着地はつま先から行います。
3. ジャンピングジャック
ステップ1:足を揃えてまっすぐ立ち、両腕を体の横に自然に下ろします。
ステップ2:ジャンプしながら両脚を左右に大きく開くと同時に、両腕を頭上へ振り上げます。続いて再びジャンプし、脚を閉じながら腕を元の位置へ戻します。
4. ジャンプスクワット
ステップ1:足を肩幅に開き、つま先を少し外側へ向けます。膝が内側に入らないよう、つま先と同じ方向へ向けます。
ステップ2:体幹に力を入れ、太ももが床と平行になるまでしゃがみます。その後、足で床を強く押し出すようにジャンプし、太ももとお尻の筋肉を使って体を持ち上げます。視線はやや前上方へ向け、腕は自然に振ります。着地はつま先から接地し、その勢いを利用して自然にスクワット姿勢へ戻ります。
5. 片脚立ち
ステップ1:両足で安定して立ち、片足を床から持ち上げます。体がぶれないよう、姿勢を保ちましょう。
ステップ2:左右を入れ替えて同様に行います。
6. ステップアップ
ステップ1:段差の前に立ち、胸を張り、体幹に力を入れます。右足全体を段差に乗せ、体重を右脚へ移しながら右脚で体を押し上げて、左足も段差の上へ乗せます。
ステップ2:左足から先に床へ下ろし、続いて右足を下ろします。左右を交互に繰り返します。
この記事で表明されている見解は著者個人の意見であり、必ずしもエポックタイムズの見解を反映するものではありません。
(翻訳編集 井田千景)
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