ガスコンロの炎がオレンジ色になるのはなぜ危険なのか

普段、木材が燃えるときの炎は通常、オレンジ色や赤色ですが、だからといってガスコンロの炎もこのような色になるのが正常だと思ってはいけません。
実際、正常なガスコンロの炎は安定した青色で、オレンジ色やほかの色に変わった場合は、よい状態とはいえません。

『リーダーズ・ダイジェスト』によると、アメリカ家電保証会社「アメリカン・ホーム・シールド」の遠隔家電修理技術者トロイ・レッグ氏は、ガスコンロなどの家電製品を20年以上修理してきた経験があり、正常なガスコンロの炎がどのような色をしているのかをよく知っています。

レッグ氏によると、正常なガスコンロの炎は青色です。多少色に違いが出ることはありますが、大きく異なることはありません。天然ガスを使用している場合、青い炎で先端がわずかに白くなっているのは正常です。液化プロパンを使用している場合は、青い炎の先端に少し黄色が混じることも正常です。

青い炎は、天然ガスが完全燃焼していることを示しています。天然ガスの主成分はメタンで、コンロ上で十分に燃焼すると、燃料はすべて消費され、熱、水蒸気、二酸化炭素に変わります。炎が青く見えるのは、この完全燃焼によって生じる炎が、波長の短い光を放つためです。

では、なぜ炎の色がオレンジ色に変わることがあるのでしょうか。天然ガスの燃焼によって生じる炎の温度は摂氏1,927度にも達し、色は青色です。一方、木材が燃えるときは、より低温の炎が生じ、燃焼も十分ではないため、すすや木材の微粒子が放出されます。こうした微粒子によって炎が赤色やオレンジ色になり、焚き火の炎のように見えるのです。

家庭のガスコンロの炎を見て、大部分が青色ではなく、ほかの色になっており、さらに炎の先端の色も上述した正常な状態と異なっている場合は、何か異常が起きている可能性があるため注意が必要です。

レッグ氏は、ガスコンロの炎が黄色やオレンジ色の状態を持続している場合、これは不完全燃焼の可能性があり、通常はバーナーの汚れ、開口部の詰まり、あるいはガスと空気の混合比が適切でないことが原因だと説明しています。

ただし、すべてのケースで心配する必要があるわけではありません。レッグ氏によると、炎の先端が少し白色や黄色になるのは正常な場合もあり、ガスやガスコンロの種類によって異なります。

同氏によると、空気中のほこりによって一時的に黄色い炎がちらつくことがあり、カルシウムやその他のミネラルが燃焼するとオレンジ色になることもあります。「しかし、炎の大部分が黄色、オレンジ色、または赤色になっている場合は、専門家に点検してもらうべきです」と述べています。

正常的瓦斯爐火焰應該是藍色的,其尖端可能略帶白色。(IDA MARIE ODGAARD/Ritzau Scanpix/AFP via Getty Images)
正常なガスコンロの炎は青色で、先端がわずかに白くなることがあります。(IDA MARIE ODGAARD/Ritzau Scanpix/AFP via Getty Images)

 

なぜオレンジ色の炎は大きな問題なのか?

ガスコンロの炎の大部分がオレンジ色になるのは大きな問題であり、以下のような問題につながる可能性があります。

一酸化炭素の蓄積

レッグ氏は、「黄色やオレンジ色の炎が安定して続く場合、バーナーが汚れているか、ガスと空気の混合が適切でない可能性があります」と述べています。
どちらの場合も燃焼に影響を及ぼし、一酸化炭素中毒のリスクにつながる可能性があります。

アメリカ疾病対策予防センター(CDC)の資料によると、一酸化炭素は無色・無臭の気体で、毎年数百人が死亡し、約10万人が救急外来を受診しています。特に子供や呼吸器に問題のある高齢者は影響を受けやすいとされています。
家庭でガスコンロを使用している場合、どのように事故を防げばよいのでしょうか?

一酸化炭素検知器を設置すると、一酸化炭素濃度が高くなった際に警告してくれるため、命を救うことにつながる可能性があります。

ガス代の増加

オレンジ色の炎は不完全燃焼を示しており、一部のガスが無駄になっていることを意味します。改善しないまま使用すると、調理に十分な熱を得るためにより多くのガスを使う必要があり、ガス代の増加につながります。

空気の質の低下

一酸化炭素に加えて、正常に作動しているガスコンロでも、二酸化窒素、ベンゼン、その他の揮発性有機化合物(VOCs)が放出されます。ガスコンロの燃焼効率が低下すると、これらの物質の排出量も増加し、室内の空気の質が低下する可能性があります。

調理効率の低下

ガスコンロの炎が均一でなかったり、燃焼効率が低かったりすると(炎が通常オレンジ色や黄色になっている場合)、食材が均等に加熱されなくなり、火力を上げざるを得なくなることがあります。これによって調理のしやすさにも影響が出る可能性があります。

では、炎が赤色になっている場合は、どのような問題があるのでしょうか

レッグ氏は、「赤い炎は比較的まれで、ガスの品質に問題があること(燃焼が不十分、または酸素不足)を示している可能性があります。そのため、住宅所有者は炎が赤色の状態を持続していることに気付いた場合は、天然ガスの供給会社に連絡してください」と述べています。

同氏は、ガスコンロの炎が異常な黄色、オレンジ色、または赤色になっている場合、基本的な清掃と点検を行うことができると注意を促しています。それでも炎の色が変わらない場合、またはガスの臭いがする場合は、直ちにガスコンロの使用を中止し、専門の技術者に対応してもらうべきです。

使用瓦斯爐烹飪示意圖。(Shutterstock)
ガスコンロで調理する様子のイメージ。(Shutterstock)

 

ガスコンロは誰が発明したのでしょうか?

ガスコンロという現代的な調理器具について考えると、誰が発明したのか、いつ頃登場したのか気になるかもしれません。

『スミソニアン・マガジン』によると、古代のエジプト人、ユダヤ人、ローマ人(およびその他の文明)は、石やレンガで造ったかまどを使い、薪を燃やしてパンを焼いていました。その中には、現在ピザ生地を焼くために使われている窯とそれほど変わらない設計のものもありました。

1802年になると、ヴィンツラーというモラヴィア人(チェコのモラヴィア地方に住む民族)が、ガスを使って食べ物を調理するという考えを初めて提案しましたが、製品化には至りませんでした。

そして、初めて商業生産されたガスコンロは、イギリス人ジェームズ・シャープが1826年に発明したものです。19世紀末になると、このガスコンロは普及しました。薪や石炭を燃やすコンロと比べて、ガスコンロは火力の調節がしやすく、維持や手入れもより簡単だったためです。

(翻訳編集 解問)

陳俊村